Four Keys × サーベイで育む対話と改善文化。フォトシンスの開発生産性向上の取り組みとは
スマートロック「Akerun」などを展開する株式会社Photosynth(フォトシンス)は、ハードウェアからソフトウェアまでを横断した開発体制を持ち、技術力を強みにプロダクト開発を推進しています。開発組織として掲げるミッションは「プロダクトの価値提供スピードの最大化」。その実現に向け、開発チームのパフォーマンスを定量的に捉える手段として「Findy Team+」を導入しました。
エンジニアの活動が他部門から見えづらいという課題を抱えていた同社。開発生産性の“可視化”を通じて、組織やプロセスにどのような変化が生まれたのか。導入の背景からFour Keysの活用、今後の展望まで、実際の取り組みを伺いました。

──現在の開発体制や現職での役割について教えてください。
小田:フォトシンス全体の従業員は約140名で、そのうちエンジニアは社員30名、業務委託を含めて約40名の体制です。私はもともとファームウェアエンジニアとして入社しましたが、現在はWebチームを含む複数チームのプロジェクトマネジメントを担っています。2025年1月の組織変更を機に、グループ会社であるMIWA Akerun Technologiesからの業務委託の開発に加え、フォトシンス本体のスマートロックサービス「Akerun」の開発にも携わるようになりました。
島田:私はバックエンドを中心に、フロントエンドやインフラも一部担当しています。以前は、グループ会社であるMIWA Akerun Technologiesの住宅向けプロダクトを担当していましたが、現在は組織再編に伴い、フォトシンスのAkerun事業開発部 開発グループPlatformチームに所属しています。
──開発組織のミッションと今のフェーズについて教えてください。
小田:私たち開発組織のミッションは、「プロダクトの価値提供スピードを最大化すること」です。その実現のために、パフォーマンスの可視化と継続的な改善を重視しています。スマートロック「Akerun」をはじめとしたプロダクトは、オフィスの入退室という顧客の事業運営の根幹に関わる領域を担っており、高い可用性と安定性が求められます。一方で、変化するビジネス環境や顧客ニーズに柔軟に対応するため、スピード感を持った開発も重要です。チームの状態を正しく捉えるためにFindy Team+を活用し、改善のサイクルを着実に回すことを意識しています。
島田:私はこれまでMIWA Akerun Techonologiesが提供する住宅向けプロダクトを担当してきましたが、そこで得た成功体験や改善の知見を、現在所属しているPlatformチームでも再現していきたいと考えています。組織体制が変わる中で、チームごとに文化や抱える課題は異なります。そのため、まずはFindy Team+を活用して現状を客観的に把握し、そのうえでチームが自律的に改善に取り組む文化を定着させたいと考えています。
「エンジニアは何をしているのか?」──開発の“見えづらさ”を乗り越えるための可視化への第一歩

──Findy Team+を導入した背景について教えてください。
小田:導入のきっかけは、エンジニアの活動が他部門から見えづらいという課題感でした。営業やバックオフィスのような部門では成果が数値で示されやすい一方で、開発チームのアウトプットはどうしても定性的になりがちです。「何をしているのか分かりづらい」と言われることもあり、組織として成果を伝えるための手段が必要だと感じていました。
特にグループ会社からの業務開発を担う受託開発チームでは、プロジェクト単位での生産性を示す必要が高まっており、アクティビティを数値で捉えられるツールの導入が急務でした。
島田:私自身の経験でも、可視化の必要性を強く実感した出来事がありました。住宅向けプロダクトの初期リリースで不具合が発生したことがあり、それを改善するためにPR(プルリクエスト)を小さく区切る、開発スパンを短くするなど工夫を重ねたのですが、それらの成果を数値で裏付ける術がなく、改善の手応えが曖昧だったんです。
そんな中、前職の知人からFindy Team+の話を聞いて、Four Keys指標を軸に可視化できる点に可能性を感じました。
──導入のプロセスで印象的だったことはありますか?
小田:最初に部長へ提案した際は予算の都合で見送られたのですが、その後、CTOの渡邊が主導して、開発生産性をさらに高める取り組みを改めて推進することになり、社内で再び議論が進みました。トライアル導入を経て、チームからは「自分たちの状態が見えるようになった」「改善の方向性がつかめた」といったポジティブな声が上がりました。
こうした反応を受けて、2024年6月にトライアルで導入を開始し、導入効果があると判断して、7月に正式導入が決まりました。
日々のふりかえりとデータ活用で定着した改善文化

──Findy Team+を導入してから、どのような活用をされていますか?
小田:まず取り組んだのは、日々のアクティビティを定量的に把握することです。現在では毎朝のデイリースクラムでFindy Team+の「チーム詳細」画面を確認し、前日のコミットやPRの状況を振り返ることが習慣化されています。「なぜ昨日は進捗が少なかったのか?」といった問いに対しても、レビューの滞留や設計作業の進捗など背景を踏まえて納得感を持った共有ができるようになりました。
島田:スプリントのレトロスペクティブでもFindy Team+は欠かせません。Four Keysの4指標を確認して、たとえば「デプロイ頻度が落ちたのはなぜか?」といった議論をチームで深めています。KPIが達成できたスプリントは素直に喜び、未達の場合は原因分析と改善策を考える。こうしたサイクルが自然と根付きました。
──具体的に、ツールのどの機能をよく活用されていますか?
小田:特に重宝しているのがコメント機能です。設計フェーズなどでコミットが少ない日には、その背景や理由をコメントで残しておくようにしています。これがあることで、レトロスペクティブで「この週はなぜ進捗が鈍かったのか?」と振り返る際にも、記録が補助線となり、議論がスムーズになります。以前のように曖昧な記憶に頼る必要がなくなり、ミーティングの生産性も上がりました。島田:毎日記録が残っていることで、スプリントレビューの準備も楽になりました。「何をやったか?」を思い出す時間が不要になったのは大きな変化です。短いスパンでフィードバックを行う文化とも相性がよく、ふりかえりの質が向上しました。

──データ活用によってチームにどんな変化がありましたか?
小田:定性的な判断に頼っていた部分に、データという裏付けが加わったことで、マネジメントの視点でも意思決定の質が上がったと感じています。また、「今日はうまく進んだね」「レビュー早かったね」といった声が自然に生まれ、チーム内の前向きな雰囲気づくりにもつながっています。
島田:開発に対しても、「感覚」ではなく「実績」を元にしたふりかえりができるようになりました。数値があることで、議論が感情論にならず建設的になる点も良い変化だと思います。
「はじめの一歩」を社内に広げる──蓄積したナレッジを武器に展開が加速

──Findy Team+導入によって、Four Keysの指標にはどのような変化がありましたか?
島田:特に注目しているのは「デプロイ頻度」と「サイクルタイム」です。導入前は月に1回のリリースが一般的でしたが、現在は隔週でのリリースを定着させつつあり、最終的には週1回を目指しています。Findy Team+でモニタリングするようになってからは、開発側の改善だけでなく、リリース全体のボトルネックにも気づけるようになりました。
小田:サイクルタイムが改善されている一方で、QA部門での確認プロセスがネックになっていることがデータから明らかになりました。そのため、現在は自動テストやテスト設計の効率化に取り組んでおり、開発部長やQAチームとも連携しながらリリース体制の最適化を進めています。
──データから得られた“気づき”が改善にどうつながりましたか?
小田:たとえば、サーベイの結果から「開発チームとしての動きは順調なのに、デプロイ数が伸びない」という違和感が浮かび上がりました。そこから原因をたどると、QAの承認に時間がかかっているという課題が見えてきたんです。定量・定性の両面から課題がクリアになったことで、改善のアクションにすぐ移れたのは大きかったですね。
島田:こうした改善のきっかけを得られるのは、Findy Team+のように開発活動を包括的に可視化できるツールだからこそだと思います。

──レビュー文化にも変化があったそうですね?
島田:はい、レビューのスピードと質が大きく変わりました。以前はレビューの優先度が人によって異なっていましたが、今では「レビュー依頼が来たらすぐ対応する」という意識がチーム全体に浸透しています。また、PRのサイズを小さくする文化も定着し、レビューのしやすさと品質が同時に向上しました。
小田:結果的に、レビューからアプルーブまでの時間も短縮され、大きな手戻りやリリース直前の不具合もほとんどなくなりました。レビューしやすい環境が整ったことで、開発そのものの安定性も高まりました。

チームの主体性と前向きな文化が育つ。データ活用で生まれたマインドの変化

──チームの雰囲気やマインド面での変化はありましたか?
小田:データをベースにしたフィードバックが日常化したことで、メンバーの主体性が明確に高まりました。「今日はレビューが早く終わったね」「今回はうまくリリースできたね」といったポジティブな会話が自然に生まれるようになり、改善に前向きな文化が定着しつつあります。
島田:数字が見えるからこそ、チームとしての改善目標にも納得感を持って取り組める。感覚や雰囲気ではなく、事実に基づいた判断ができるようになったのは、大きな変化だと思います。
──Findy Team+導入にあたり、社内での浸透にはどのような工夫をされましたか?
小田:導入初期に最も苦労したのは、「指標の意味をどう理解するか」でした。チームからは「この数値はどう解釈すればいいの?」「どうやって算出されているの?」という声が多く上がりました。そこで、Findy Team+のカスタマーサクセスの方とやり取りしながら、理解を深めることに注力しました。
島田:数値の活用に抵抗があったというより、「どう使えばいいかわからない」という戸惑いの方が大きかったですね。でも実際に使いながら「データがあると会話の質が変わる」と実感してからは、メンバーの中でも活用の意義が浸透していきました。
──ツール活用の運用ルールも整備されたそうですね。
島田:はい。正確な指標を得るために、いくつか運用ルールを整備しました。たとえば、ブランチ作成と同時に自動で初回コミットが入るようGitフックを導入したり、集約ブランチのPRは除外するなど、数値の歪みを防ぐ仕組みを整えています。
小田:定量データをどう読み解き、どのように開発現場の改善につなげるのかを繰り返し共有し、共通認識を形成していきました。
──仕組み化されたことで、他チームへの展開もスムーズになってきていると伺いました。
小田:はい、導入初期の経験をナレッジとして蓄積しておけたことで、他チームに展開する際もスムーズになりました。チームごとに課題や開発スタイルは異なりますが、「はじめの一歩」としてどこから着手すればよいかが明確になったのは大きな成果です。
Findy Team+を通じた開発生産性の底上げを目指して、全社展開へ
──今後、Findy Team+をどのように活用していきたいと考えていますか?
島田:まずは、他の開発チームにもFindy Team+の活用を広げていきたいと考えています。すでに成果を実感しているメンバーが、いわば「エバンジェリスト」としてツールの有効性を伝え、再現可能な取り組みとして社内展開していけると、組織全体の生産性底上げにつながると期待しています。
小田:長期的には、開発部門の取り組みや成果を、営業やバックオフィスといった他部門にもわかりやすく伝えられるようにしていきたいと考えています。定量データに基づく“見える化”を通じて、社内全体で開発の意義を共有し、経営層との共通言語としても活用できる文化を醸成していければと考えています。
島田:今後のエンジニア採用や育成においても、Findy Team+のようなツールを活用した“組織の見える化”が重要な鍵になると考えています。定性的な評価だけに頼らず、客観的なデータで補完することで、個人と組織の両面における成長を加速できると期待しています。
──Findy Team+のおすすめポイントを教えてください。
小田:Findy Team+の大きな魅力は、自社の開発パフォーマンスが相対的にどの水準にあるのかを把握できる点です。自分たちの数値が良いのか悪いのかは主観だけでは判断しづらいものですが、他社との比較を通じて、強みや改善ポイントを明確に捉えることができます。
島田:エンジニアの目標設定は、どうしても定性的な内容に偏りがちですが、Findy Team+にはそれを補う数値的なヒントが豊富に揃っています。そのため、目標設定の出発点として非常に役立ちますし、メンバーにとっても自身の行動がどのように指標に反映されるかが明確になるため、納得感を持って開発に取り組める環境が整ってきたと感じています。
──最後に、今後一緒に働きたいエンジニア像を教えてください。
小田:ものづくりを楽しめる人と一緒に働きたいですね。課題に対して前向きに取り組み、自ら提案しながらチームと協力して進めていける人。失敗を恐れず改善にチャレンジできる方には、とても良い環境だと思います。
島田:できない理由を探すのではなく、「どうやったらできるか?」を一緒に考えられる人ですね。新しいツールや考え方にも前向きで、より良い開発環境づくりに貢献してくれる仲間を歓迎しています。

※株式会社Photosynthではエンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。