本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
リモート環境下でのコミュニケーション不足やコードレビューの停滞により、開発スピードが低下。属人性の高い体制が原因で、特定のメンバーへの依存が発生し、チーム全体で課題や優先順位を正確に共有できない状況が続いていました。
Findy Team+を導入した理由
課題解決には現状の見える化が必要でした。Findy Team+は、Four Keys指標を自動で計測し、視覚的に共有できるため、課題や改善ポイントを迅速かつ明確に把握できると判断。さらに、他社との比較が可能な点も、導入の決め手となりました。
導入後:成果
Findy Team+の導入により、平均レビュー時間が33%短縮し、デプロイ頻度は30%向上。変更障害率も約5%低下し、リリース時のトラブルが激減しました。さらに、エンジニア間の議論が活発化し、改善への主体的な取り組みが生まれるなど、チーム全体の士気向上にもつながりました。
いち早く「PRM」を市場に広めていくためにー開発生産性向上への挑戦
――開発生産性向上に取り組み始めた背景を教えてください。
末澤政人氏 (CTO):開発生産性の向上に取り組んだ理由として大きかったのは、私たちが提唱するPRM(Partner Relationship Management)という新しい概念を世の中に提唱するために、顧客ニーズをプロダクトに反映させながら、試行錯誤を高速に回す必要がありました。
その中で、今回Findy Team+を導入した理由としては、開発生産性を可視化することで、自分たちの現在地を客観的に理解し、改善スピードをあげられるのではないかと考えたためです。

――なぜチームとして向き合う必要があったのでしょうか?
藤林弓響氏 (開発チームリーダー):当社のエンジニアはスキルが非常に高い反面、タスクが属人化しやすいという課題がありました。「このコードはあの人しかわからない」という属人性がいざという時にプロジェクト全体のリスクになると考えました。事業拡大を進める中で、こうしたリスクを解消し、チームとして課題に取り組む必要がありました。
経営層を動かした定量データの説得力
――導入に際して、どのように経営層の理解を得たのか教えてください。
末澤:当社では「製販一体」の文化が根付いており、経営会議や全社会議では、営業やCSといったビジネスチームと、プロダクトチームが一緒になって、事業や組織の課題について話し合う風土があります。プロダクトチームだけでなく、ビジネスチームに対して自社の開発生産性の実態を理解してもらうためには、客観的なデータがないと十分な納得感を得ることが難しいのではないかと考えていました。
そこで、Findy Team+のトライアルデータを活用しました。導入前にトライアルで収集したリードタイムやデプロイ頻度、レビュー時間のデータを分析し、課題と改善策を明確に示しました。この際、Four Keysの指標を「スピード」と「質」という分かりやすい言葉に置き換えて説明することで、経営層も直感的に理解してくれました。
特に印象的だったのは、「データは嘘をつかない」という点が信頼に繋がったことです。これまで感覚的にしか伝えられなかった「生産性向上」を、定量データに基づいて議論することで、経営層の納得感を醸成することができました。
現場の反対から信頼へ──エンジニアの理解を得るまでのプロセス
――エンジニアの方々の理解を得る際の苦労や工夫について教えてください。
末澤:最初は、エンジニアたちから「新しいツールを導入しても現場の負担が増えるだけでは?」という声がありました。こうした懸念を払拭するために、まずキーマンへの個別説明を行い、導入の目的や期待される成果を丁寧に伝えました。
次に、トライアルを実施して実際のデータを共有しました。このデータをもとに、具体的な改善例を示しながら少しずつ対象者を広げていきました。
藤林:正直なところ、私自身が最初はFindy Team+の導入に反対していました(笑)。しかし、トライアルで得られたデータを目にして認識が一変しました。Findy Team+は「手間がかからない」のが大きなポイントでした。データ連携がスムーズで、現場の作業負担がほとんどなかったんです。さらに、結果がグラフで視覚的に表示されるため、課題や改善の方向性が直感的に理解できる点も魅力でした。

データに基づいた目標設定で成果を明確化
――開発生産性の計測を通じたゴールをどこに設定していましたか?
末澤:導入当初のゴールは、チームの現在地を正確に把握することでした。どの部分に課題があるのか、現状のパフォーマンスがどの水準にあるのかを明確にすることで、適切な改善策を講じる基盤を築くことが第一の目的でした。
藤林:同時に、Four Keysの指標がチームに浸透することも目標の一つとしていました。指標が全員に共有され、具体的な改善活動の土台として機能する状態を目指しました。これにより、改善が個人任せではなく、チーム全体のアプローチとして進められるようになります。
末澤:さらに、チームがスケールしたり組織体制が変化した場合でも、生産性を維持・向上させることを最終的なゴールとして設定しました。私たちの事業は成長フェーズにあり、今後も多くの変化が予想されます。どんな状況でも持続可能な開発体制を構築するため、継続的に指標を活用し、生産性向上に取り組むことが重要だと考えています。
藤林:計測を始めたことで、具体的な指標を基に議論が進められるようになり、チーム全体が同じ目標に向かって動きやすくなりました。これが組織の変化に対する柔軟性を高め、生産性維持の大きな助けになっています。

平均レビュー時間の短縮とレビュアーの偏り解消
――Findy Team+を導入後の成果について教えてください。
藤林:まず、平均レビュー時間とレビュー効率が大幅に向上しました。
可視化してコードレビューにおいて特定のメンバーに負担が集中しており、レビュー遅延がリードタイムの増加につながっていました。
Findy Team+を導入した際、レビュー相関図という機能を活用しました。この機能は、誰が誰のコードをレビューしているのかを可視化するものです。これをチーム全体で共有し、「現状、偏りがある」という課題を視覚的に示しました。

次に、具体的な改善策として以下を実施しました。
- レビュアーをランダムにアサインする仕組みを導入。
- コードレビューの型をドキュメント化し、レビューの目的や手順、心構えを共有。
- アプルーブ要件を1名から2名に増やし、レビューの質を向上。
これにより、レビュアー間の負担が均等化し、レビュー効率が大幅に向上しました。結果として、平均レビュー時間は33%短縮されました。
末澤:数値だけでなく、レビュー相関図を定期的に振り返る文化が定着したことも大きな成果です。単なるルール変更ではなく、データに基づいて課題を共有し、進捗を見える化することで、チーム全体が納得感を持って改善に取り組むことができました。


変更障害率が約5%以下に。
――変更障害率の低下についても具体的に教えてください。
藤林:変更障害率(リリース後に発生する障害の割合)については、当初約10%と比較的高い数値でした。これは、サービスの一部機能での障害発生率が高いことに起因しているのではないかと仮説を立てていました。
元々この機能は改善を予定しており、機能を切り出しマイクロサービス化を行うことで、変更障害率は約5%低下し、リリース時のトラブルが激減しました。
末澤:変更障害率の低下をデータとして可視化することで、その背景にある取り組みの効果をチーム全員が理解できるようになりました。これが、会社全体の信頼感や士気向上にもつながりました。

技術的負債への対応とリファクタリングファースト
――技術的な課題にはどのように取り組まれましたか?
藤林:弊社ではシステムの成り立ちの過程でいわゆる、技術負債を抱えていました。

そこで、春ごろ技術負債の解消のためにリファクタリングに注力し、技術的バグの多い箇所を重点的に修正しました。その後は、リファクタリングと新機能開発を並行して進められる環境に移し、技術的負債の解消と新規開発の両立を図りました。
末澤:リファクタリングファーストの文化が根付いていたおかげで、チーム内でマイクロサービス化を進める議論が自然に生まれました。この議論では、Findy Team+が提供する変更障害率のデータを活用し、データを基にした合理的な判断が可能になりました。「数値が一時的に上がったとしても、「適切な改善の結果である」と納得しながら進められる環境が整いました。
データ活用による意識改革と信頼の醸成
――開発生産性の可視化による組織やメンバーの変化について教えてください。
末澤:Findy Team+を活用して生産性を可視化したことで、全社的な意識改革が進みました。全社キックオフでFindy Team+の指標やリリース数、顧客要望への対応件数を共有し、「高い生産性が競争力の源泉である」という認識を全社で共有しました。
特に、営業チームから「開発組織がしっかりしているので、必要な機能は迅速に開発されるだろう」という信頼を得られたのは大きな成果でした。この信頼感が、営業と開発の連携強化や全社的な士気向上につながりました。
藤林:エンジニア組織内では、「違和感を感じたときにデータを参照する」という文化が根付いてきました。定例会議ではFindy Team+のデータを共有し、課題や改善案について議論する場を設けています。これにより、感覚だけに頼らず、事実に基づいて意思決定を行えるようになりました。
──ここまでの取り組みを経て、次のトライとして考えていることがあれば教えてください。
末澤:これまでリードタイムやレビュー時間など、スピード面での成果を上げてきました。次は「品質」に注力し、Four Keysの「変更障害率」や「平均修復時間」をさらに改善していきたいと考えています。また、SPACEフレームワークを活用して、エンジニアのエンゲージメントや満足度を評価する仕組みを取り入れ、定量と定性の両面からチームの成長を図りたいですね。
藤林:新しいメンバーが増える中でも、スムーズにオンボーディングが進む体制を整えることが次の目標です。これまでの成果をベースに、質とスピードを両立する文化をさらに定着させていきたいと思っています。
――最後に、今後一緒に働きたいエンジニア像について教えてください。
末澤:今後一緒に働きたいのは、スタートアップマインドを持ち、新しい価値を提供したいという熱意を持った方です。例えば、新しい技術に挑戦したい、自分を成長させたいという意欲のある方にぜひ加わっていただきたいです。
藤林:なんでも「まずやってみる!」というチャレンジ精神を持っている方には特にフィットすると思います。私たちもまだ道半ばですが、一緒に世の中に新しい価値を提供していける仲間をお待ちしています!

※現在パートナーサクセスでは、エンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。