本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
開発生産性の可視化が不十分で、改善点の特定や迅速な価値提供が課題だった。
Findy Team+を導入した理由
Four Keysを含む開発データの可視化で、課題特定と改善サイクルを加速できると考えたため。
導入の決め手
「Four Keys」や「SPACE」などの指標を簡単に可視化でき、事業連動を意識した継続的な改善に活用できると判断したため。
導入後:成果
KPTやサーベイで課題を自分ごと化する文化が醸成された。主体的な改善が進み、デプロイ頻度は約2倍に向上。
KPTとサーベイで“自分ごと化”を促進。ワンキャリアの開発生産性向上の取り組みとは?
IT×HR領域でサービスを展開する株式会社ワンキャリア。同社は、急速な事業成長に伴い、開発組織のスケーリングと生産性向上に取り組んでいます。今回は、Findy Team+を活用した開発生産性の可視化と組織改善について、CTOの岩本様とシニアエンジニアリングマネージャーの山口様にお話を伺いました。
──御社について教えてください。
岩本:当社は『人の数だけ、キャリアをつくる。』というミッションを掲げ、キャリアに関する情報を正しく、広く届けるためのプラットフォームを提供しています。開発組織は現在、正社員約30名、業務委託と長期インターンを含めると約50名の体制です。開発は3つのグループに分かれており、プロダクトの開発から基盤の整備まで幅広く対応しています。
──開発組織では、どのようなミッションを掲げていますか?
山口:ソフトウェアは資産であるという考えのもと、『資産になるソフトウェアを開発する』ことを重視しています。一度開発したものが将来的に利益を生み続けられるよう、品質や拡張性を大切にしています。
良い開発者体験を、良い成果につなげるために。プロセス改善への第一歩

──開発生産性の計測に取り組み、ツールを導入しようとしたきっかけは何でしょうか?
山口:「良いものを作る」だけでなく、どのように作っているのかを把握し、継続的に改善していく必要性を感じたことがきっかけです。特に、開発プロセスにおけるボトルネックや非効率な部分を定量的に把握できなかったことが課題でした。2021年9月から開発生産性の計測を開始し、リードタイムやプルリク作成数を含めたデータを可視化するために、Findy Team+の導入を決めました。これにより、エンジニア自身が改善意識を持ち、事業成長を意識した行動を促す仕組みを構築できると考えました。
──Findy Team+の導入理由はなんですか?
山口:「今どこが遅れているのか」「どのプロセスが課題なのか」を定量的に把握したかったのが導入のきっかけです。もちろん、GitHubや自前のスプレッドシートで何となくの傾向は見られるのですが、属人化や手間が大きな課題でした。Findy Team+は、リードタイムやプルリクエスト数などのデータを自動で収集・可視化できるのが魅力でしたね。私たちが苦労して集計していた情報を、簡単にダッシュボードで確認できる。導入前にデモを見たとき、岩本も「これ、まさに探してたやつだな」と即座に言ったほどです。
また、ツール導入を検討するにあたっては、社内で「数字に基づいて意思決定できる文化を根付かせたい」という思いが強くありました。Findy Team+は単に可視化するだけでなく、課題をメンバーに“自分ごと”として認識させるきっかけにもなると感じたことも決め手の一つでした。
──実際に課題を特定するために実施したプロセスを教えてください
岩本:まずは「見られるデータから手をつけよう」というアプローチで始めました。最初に注目したのが、プルリクエストの作成からマージまでのリードタイムや、デプロイ頻度です。
実際にFindy Team+を導入してデータを確認してみると、レビュー待ち時間が全体のリードタイムの40%以上を占めていることが判明しました。これには驚きましたね。エンジニアたちは「忙しいから仕方ない」と思っていたようですが、数値化されると説得力が段違いで、問題が可視化された瞬間にチーム全体がざわつきました。
さらに掘り下げていくと、レビューに対する心理的ハードルや、レビュー担当者が固定されていることが原因とわかりました。
「じゃあ、どうする?」となったとき、ランダムなペアプロや週次でのふりかえり会を取り入れることにしました。このあたりはFindy Team+が提示してくれるデータをもとに、具体的なアクションが決められたのが大きかったですね。
見える化から事業連動へ──“価値を届ける”を軸にした開発生産性改善の4フェーズ

──開発生産性向上への取り組み変遷を教えてください
岩本:取り組みは大きく4つのフェーズに分かれています。
- フェーズ1:とにかく「見える化」からスタート
岩本:まずは現状把握です。プルリク数やリードタイム、デプロイ頻度など「測れるものから測ろう」というシンプルなスタートでした。
当初は「プルリクが少ない」「レビューが遅い」といった定性的な声はありましたが、数字で示すと一気に課題感が浸透。「これ、ヤバいね」という共通認識が持てたのは大きな一歩でした。
- フェーズ2:数字に基づく改善アクションへ
岩本:可視化したデータをもとに、レビュー体制の見直しやデプロイ手順の簡素化に着手。特に取り組んだのはペアプロの導入です。最初は「時間がもったいないのでは?」という声もありましたが、やってみると知識共有が進み、レビューの質も向上。結果として、リードタイムは導入前と比べて30%以上短縮されました。
- フェーズ3:定性的な要素の取り込みと文化醸成
岩本:数字だけを追うと、メンバーが疲弊したり「数値目標のための開発」になりがちです。そこでふりかえり機能やサーベイ機能を活用し、なぜその数値を改善するのかをチームで考える時間を設けました。メンバーから「最近、レビューが早くてストレスが減った」「他のチームと交流する機会が増えて楽しい」といった声が出てきたのは嬉しい変化でしたね。
- フェーズ4(現在):事業との連動強化
岩本:今は開発生産性と事業KPIの紐づけに取り組んでいます。ただデプロイが早くなるだけでは意味がない。ユーザーにどれだけ価値を早く届けられたか、そこが本質です。
実際、デプロイ頻度を倍にした結果、ユーザーからのフィードバックをもとに迅速に改善でき、サービス継続率が上がるというポジティブな循環が生まれています。
山口:取り組みの中で何度も「なぜやるのか?」を問い直しました。
可視化や改善はあくまで手段。目的は「ユーザーに価値を届け続けること」です。この軸をぶらさずに進めてきたことが、今の成果に繋がっていると感じています。
「声を上げる」が当たり前に。Findy Team+が育てる対話と気づきのカルチャー

──ふりかえり機能やサーベイ機能はどのように活用されていますか?
山口:Findy Team+のふりかえり機能とサーベイ機能は、開発生産性向上の取り組みの中で特に重要な役割を果たしています。以前からチーム単位でKPT(Keep, Problem, Try)を実施していましたが、どうしてもふりかえりが形骸化してしまったり、メンバー間での本音が出づらかったりする課題がありました。
Findy Team+のふりかえり機能を導入してからは、定量的なデータ(リードタイム、プルリク数、デプロイ頻度など)をベースに話ができるようになったため、「なぜこの数字が下がったのか?」や「次にどこを改善すべきか?」といった具体的な議論がしやすくなりました。
例えば、ある週にリードタイムが急激に伸びたのですが、ふりかえり機能でデータを見たことで「レビュー担当が特定のメンバーに偏っていた」という原因が明らかになりました。そこで、ペアプロのローテーション化やレビュー担当の分散を実施し、翌週には数値が改善。問題発見から改善までのスピード感が格段に上がったと実感しています。
また、サーベイ機能では、メンバーの心理的安全性や業務への満足度を定期的に把握できるようになりました。特に役立っているのは、数値だけでは見えない定性的なフィードバックです。
最近のサーベイ結果では、あるチームから「最近はデプロイが頻繁でスピード感があるが、その分ドキュメント整備が追いついていない」という声が上がりました。数値上は問題ないように見えても、現場レベルでは別の課題が潜んでいることがあります。こうしたフィードバックは改善の優先順位付けや意思決定に大きく役立っています。
何よりも、ふりかえり機能やサーベイ機能を通じて、「声を上げることが当たり前」という文化が徐々に根付いてきたのが大きな変化ですね。
特に新卒メンバーや若手エンジニアから「自分の意見がチーム改善に反映されて嬉しい」という声を聞いたときは、取り組みの意義を強く感じました。
岩本:開発生産性の向上は数字だけでは測れません。チームの雰囲気やメンバーのモチベーションも同じくらい重要です。
Findy Team+のふりかえり機能とサーベイ機能は、データと感情の両面を見える化できるのが大きな魅力です。これにより、「何を改善すべきか」だけでなく、「なぜそれを改善するのか」「どうすれば皆がより良く働けるか」という本質的な議論ができるようになりました。
これからも、ツールを単なる数値管理のためではなく、チーム全体が前向きに成長できる場を作るためのきっかけとして活用していきたいと思います。
開発者体験だけではなく、「デプロイ倍増計画」実施の背景と成果

── これから改めて取り組まれる「デプロイ倍増計画」を実施する背景を教えてください。
岩本:当社では、もともと毎日のデプロイが当たり前になっていました。ただ、開発組織が拡大する中で、「今のペースで本当に十分か?」という疑問が浮かんだんです。ユーザーに価値をより早く届けるために、もう一段スピードを上げる必要があると感じました。
きっかけは、「今のデプロイ頻度は本当に限界?」という自問です。データを見返すと、技術的な問題よりもメンバーの意識や習慣がボトルネックでした。たとえば、「この変更は来週まとめて出そう」と無意識に先延ばししていたんです。そこで、「まずは意識を変えよう」と、倍増を掲げました。
── 計画を実施する中で、どのような成果が見えていますか?
山口:開始からわずか2週間で、デプロイ回数は前月比で約2倍に増加しました。驚いたのは、その数字以上に、「速くリリースするのが普通」という意識がチームに根付いたことです。
倍増を目指す中で、「どうすれば安全かつ迅速に出せる?」と、メンバーが自発的に改善に取り組みました。具体的には、レビュー着手の早期化、CI/CDパイプラインの最適化、リリースフローの見直しなど、各所で小さな工夫が積み重なり、全体の開発サイクルが短縮されました。
もちろん、品質の維持も重要です。頻繁にデプロイする分、テスト自動化や段階的リリースを強化しました。結果として、障害発生率はむしろ減少し、速さと安全性を両立できました。
── 取り組みを通じて、組織にどのような変化が起きていますか?
岩本:この計画を経て、社内には「速さは価値提供の武器だ」という意識が広がりました。お客様からも、「リリースが速くなった」「バグ修正の反映が速い」といった声をいただき、ユーザー満足度向上にもつながっています。
また、メンバーの主体性が向上したのも大きな成果です。計画発表時は「本当にできるの?」という不安もありましたが、いざ取り組むと、「意外とできるじゃん!」という成功体験が自信になりました。今では、「改善の余地は常にある」という前向きな雰囲気がチーム全体に根付いています。
今後もこの勢いを保ちつつ、「ただ速い」だけでなく「価値あるデプロイ」を目指していきます。スピードと品質の両立で、ユーザーに最速で価値を届ける。それが、私たちの開発組織のありたい姿です。
目的を見失わないために。開発生産性の「なぜ?」を全員で問い続けた取り組み

── 開発生産性向上の取り組みで、特に難しかったことは何ですか?
岩本:一番の課題は、「なぜ取り組むのか?」を全員で共有することでした。デプロイ頻度を上げたり、リードタイムを短縮したりするのはあくまで手段であって、目的ではありません。しかし、数値目標を追いかけると、つい「本来何のためにやっているのか?」を見失いがちです。たとえば、「デプロイ回数を倍にする」が目的になってしまうと、ただ回数を稼ぐことに終始してしまう。しかし、ユーザーに価値を届けられなければ意味がないんです。メンバーと話し合いを重ね、「最終ゴールはユーザーにより早く、良い機能を届けることだよね」と共通認識を持つことを心がけました。
山口:改善を進める中で、「数字を追うだけにならないようにすること」も大きな壁でした。Findy Team+を導入すると、Four Keysなどの指標が手軽に見えるようになります。ただ、数値の上下に振り回されるのではなく、「なぜこうなったのか?」を考えることが重要だと感じています。
導入初期は、数値を見て議論が脱線することもありました。そんな時は、Findy Team+のデータをもとに具体的な原因を深掘りするよう意識しました。
たとえば、
- 「リードタイムが長いのはレビューで詰まっているから?」
- 「じゃあ、どうすればスムーズになる?」
と、数値をきっかけに具体的なアクションへつなげることが大事です。データはあくまで問題発見のツール。目的を見失わず、改善に活かす姿勢を常に持つようにしました。
── Findy Team+を導入して、特に良かった点を教えてください。
岩本:Findy Team+の魅力は、「開発生産性の現状が誰でもすぐに理解できること」です。リードタイム、デプロイ頻度、変更障害率などが直感的なグラフで可視化され、エンジニアはもちろん、プロダクトマネージャーやビジネスサイドのメンバーも即座に状況を把握できます。
これにより、部門を越えた議論が格段にスムーズになりました。「何が課題で、どう改善すべきか?」を全員で共通認識として持てるのは、チーム運営において非常に大きなメリットです。
山口:個人的におすすめしたいのは、KPTふりかえり機能とサーベイ機能です。以前は、ふりかえり用の資料作りに時間を取られていましたが、Findy Team+はデータを自動で取り込み、すぐに本質的な議論に集中できるのがありがたいですね。特にサーベイ機能では、メンバーの心理的安全性やチーム課題を即座に把握でき、「定量データ+定性フィードバック」の組み合わせで深いふりかえりが可能です。正直、課題が見えると、自然と改善に向かいたくなるんです。Findy Team+は、「みんなで良くしていこう!」という空気を自然と生み出してくれるツールだと思います。
「本当に価値あるものを、速く・高品質に」。ユーザーファーストを貫く開発組織の文化
── 御社の開発組織の魅力を教えてください。
岩本:私たちが大切にしているのは、「エンドユーザーファースト」と「本質的・長期的思考」です。
ただ「速く作る」のではなく、「ユーザーにとって本当に価値あるものを、素早く・高品質に届ける」ことを重視しています。そのため、エンジニアも積極的にユーザーインタビューに参加し、事業KPIを意識しながら開発に取り組んでいます。
また、率直に意見を言い合えるカルチャーも私たちの強みです。
- 「これは違うのでは?」と思えば誰でも声を上げられる
- 指摘を受けても「確かに、ありがとう!」と受け止められる
こうした空気感があるのは、多様なバックグラウンドを持つメンバー同士が互いを尊重し合っているからだと思います。遠慮せずに本音をぶつけられるのは、良いものづくりに欠かせない文化です。
山口:もう一つの魅力は、「成長したい人にどんどんチャンスを与える環境」です。
若手でも「これをやりたい!」と言えば、すぐに任されます。もちろん責任は伴いますが、周りが本気でサポートしてくれるので、安心してチャレンジできるんです。実際、入社2年目のメンバーが大きなプロジェクトをリードすることも珍しくありません。
「エンジニアとしても、人としても成長したい!」そんな想いを持つ方にとって、最高の環境だと自信を持って言えます!
“作る”だけで終わらせない。ユーザー志向と成長意欲を持った仲間を歓迎
岩本:今後一緒に働きたいのは、「ユーザーに価値を届けるために、自ら動ける人」です。私たちは単に「言われたものを作るエンジニア」を求めているのではなく、「なぜ作るのか」「どうしたらもっと良くなるか」を一緒に考えられる人を歓迎しています。特に、ユーザー視点を持ち、事業やビジネスへの関心がある方だと、一緒に楽しく働けるはずです。
山口:あと、「成長を楽しめる人」ですね。ワンキャリアには毎日の勉強会やランダムペアプロを通じて、技術力やチームワークを磨く機会がたくさんあります。もちろん大変なこともありますが、そこに楽しさを見いだせる方だと、自然と組織に馴染めると思います。
そして、何よりも大事なのは、「自分の仕事が誰かの役に立っている」ことを嬉しいと思えるかどうか。そんな想いを持つ方と一緒に、さらにいい組織を作っていきたいですね!

※現在ワンキャリアでは、エンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。