アウトカムを最大化させるための開発投資割合の考え方

対象読者

  • ビジネス成果につながる投資判断に悩まれている方
  • プロジェクトを進める上でのROIや事業貢献の計測を行う必要がある方
  • EM、PdM、CTO、開発部長など投資の意思決定に携わる方

この記事の目的

  • 適切な開発投資のバランスを考えるフレームワークの紹介
  • 開発リソースの配分を可視化し、意思決定を支援するソリューションの提供

はじめに

開発スピードを上げ、仮説検証サイクルを迅速に回し、顧客へ価値を届けることは、組織の生産性を向上させる重要な要素です。
一方、「開発スピードが向上しているものの、売上や顧客満足度といったビジネス成果との関連性が見えにくく、適切な投資判断ができているのかどうかわからない」 という課題に直面する企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、開発投資が真にアウトカムに貢献しているのか?という疑問から、投資割合をどのように考えるべきか、フレームワークを交えながら解説し、皆様の参考になるような情報を提供します。

開発投資に関する悩み

多くの企業が開発投資の最適化に取り組む中で、様々な悩みを抱えています。
例えば、新規開発と技術的負債の解消におけるリソース配分など、短期的な成果を求めつつ、長期的な成長も見据えた投資判断をどのように行うか、という点に悩む企業も少なくありません。
また、内部的な改善や品質向上といった、直接的な売上貢献が見えにくい領域への投資をどう評価するかも、頻繁に議論されるテーマです。

アウトカムにつながる開発投資とは?

アウトカムに繋げるための開発投資は、単に新機能を増やすだけではなく、売上成長や顧客満足度向上といったビジネス成果にどのように結びつくかが重要です。しかし、多くの企業では以下のような課題があります。

よくある課題

  1. 投資判断の基準が不明確
    • 「新規開発」と「技術的負債の解消」のバランスが難しい
    • 短期的な成果を求めすぎて、長期的な観点が不足している
  2. リソース配分が偏りがち
    • 新機能ばかりに投資し、既存機能の改善や開発生産性向上が後回しになる
  3. ビジネス成果への貢献が見えづらい
    • 開発の意思決定が経営レベルの目標と結びついていない

エンジニアリング投資のフレームワーク

こうした課題を解決するための手段として、開発投資の最適化に役立つフレームワークをご紹介します。

Dropbox社が採用したフレームワーク4分類

Dropbox社では、エンジニアリングリソースへの投資を4つのカテゴリに分類するフレームワークを採用していました。

参考:A framework for balancing and budgeting engineering resourcing

4つのカテゴリ分類について

  1. Keep the Lights On (KTLO)
    現在のシステムの維持管理に必要な最小限の作業。
  2. Build New Stuff (for Customers)
    新規顧客獲得や市場拡大のための新機能開発。
  3. Improve Existing Stuff (for Customers)
    既存機能の改善を通じた顧客満足度の向上。
  4. Increase Your Productivity (Not Customer Visible)
    エンジニアリングの生産性向上を目的としたツール開発や技術的負債の解消。

KTLOは事業継続に直結するためリソースは最優先で確保すべきものです。
残りの3つは、チームが自由に優先度を決定できる「選択的な投資」と位置付けています。

フレームワークの活用方法

このフレームワークは、エンジニアリングリソースのバランスと予算配分を明確にすることで、投資判断の透明性を高めることができます。
Dropboxでは四半期ごとにレビューを行い、ビジネスの変化に適応しながら配分を調整していました。
こうした可視化があることで、エンジニアリングが事業成長にどのように貢献しているのかを把握し、経営層やステークホルダーとの議論をスムーズに進めることができます。

実際IPO前のDropbox社では、「Build New Stuff」に60%、「Improve Existing Stuff」に20%、「Increase Your Productivity」に20%と設定し、四半期単位でPDCAサイクルを回した結果、大きく配分がズレることはありませんでした。
以下の表は、各フェーズにおける投資バランスの参考値を示しています。投資配分に伴う課題やリスクを整理することで、適切なリソースアロケーションの判断に役立てることができるでしょう。
(※本配分はあくまで参考値であり、全ての企業にとって最適とは限りません)

フェーズ新機能開発機能改善開発生産性課題・リスク
導入期
(Dropbox社 IPO前)
60%20%20%新規開発を優先するが、品質や運用の課題が生じる可能性
成長期-初期70%15%15%顧客満足度低下やエンジニアの疲弊が発生しやすい
成長期-後期50%30%20%技術的負債の蓄積とそれによる開発効率の低下リスク
成熟期40%40%20%開発速度の鈍化や技術的負債の蓄積による競争力低下

開発投資の可視化で意思決定を支援する

これまでご紹介したように、
アウトカム最大化のための開発投資割合を保つためには、現状のアウトプットを適切に把握・調整することが求められます。
高いアウトカムが期待される施策を多く生み出せているのかをデータで可視化することで、説得力のある説明が可能になるのです。

Findy Team+のプロジェクト投資分析機能

Findy Team+では、開発プロジェクトの投資割合を可視化し、意思決定を支援する機能を提供しています。
「プロジェクト投資分析機能」は、プロジェクトのイシューを「新機能」「機能改善」「品質保証」「開発生産性」の4つのカテゴリに自動的に分類し、それぞれの割合をグラフで表示することで、開発投資の現状を分かりやすく可視化することが可能です。

プロジェクト投資分析機能のポイント

  • プロジェクトのイシュー数を「新機能」「機能改善」「品質保証」「開発生産性」の4カテゴリに分類し、可視化
  • 開発投資戦略の検討や課題発見を促進
  • 経営層との意思決定をスムーズにするレポート機能
投資カテゴリ分類タスクイメージ
新機能新規サービス/プロダクト立ち上げ、新規機能の開発、R&DやPoC開発
機能改善要望機能の追加、ユーザーフィードバックを基にした機能改善
品質保証インシデント対応、バグ修正、セキュリティ対応、パフォーマンス改善テストカバレッジ向上、エラーレート低減、モニタリング改善
開発生産性技術的負債解消、リファクタリングアーキテクチャ改善、CI/CD改善、デプロイメント効率化リリース手順改善、ドキュメントの更新

ユースケース

本機能は、以下のようなケースで活用いただくことで、正しい投資評価と適切な意思決定判断をサポートします。

  • 期初の開発投資計画の策定や経営レポート
  • 四半期ごとの振り返りとリソース配分の見直し
  • PdMやエンジニアチームとの月次レビュー

開発投資の最適化には、「適切なバランスの考え方」「データに基づく可視化」が必要です。
まずは、現在の開発プロジェクトのリソース配分を把握することから始めてみませんか?

ご興味のある方はぜひFindy Team+をご活用ください。


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