リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?
リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?

目次
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本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
コードレビューの遅延や開発リードタイムの長期化により、リリースまでのサイクルが停滞していた。また、課題の特定や改善方法が感覚的で、客観的な判断ができていなかった。特に、レビュー完了までに数日かかることもあり、スムーズな開発の進行に支障が出ていた。
Findy Team+を導入した理由
開発生産性を定量的に測定し、改善につなげるため。レビュー速度やリードタイムの可視化、個人やチーム、過去データとの比較が可能な点が魅力的だった。
導入の決め手
他社製品と比較し、レビュー分析機能の充実度と柔軟な設定が優れていたことが決め手。また、営業の方の誠実なサポートも導入を決めた理由の一つ。
導入後:成果
レビュー依頼からマージまでの時間が平均3日から約1.5日に短縮。定量データに基づく振り返りにより、チームメンバーの改善意識が高まり、主体的な改善提案が増加した。他チームへも開発生産性向上の取り組みが波及している。
リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?
大手EC企業として幅広いサービスを展開するアスクル株式会社では、開発生産性向上とエンジニア組織の強化を目的に、エンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用しています。 今回は、テクニカルディレクター兼ジェネラルプロダクトマネージャーの内山陽介氏、Trylion集客検索チーム エンジニアリングマネージャーの三宅翔氏、クラウドストラクチャーチームの荒木泰詞氏にインタビュー。「Findy Team+」の導入背景や、開発生産性向上に向けた取り組み、得られた成果についてお話を伺いました。
──御社について教えてください。
内山:アスクルは、「明日来る」という社名の通り、お客様が必要なものを翌日にお届けするサービスを展開しています。主にBtoB向けの事業用品通販サービスを展開していますが、BtoC領域やロジスティクス、クラウドサービス、AI関連など幅広い領域をカバーしています。自社で商品の開発から物流センター運営、配送までを一貫して担っているのが特徴で、日本国内でも珍しい「一気通貫」のEコマース事業を行っています。
──皆さまの現在のご担当業務についてお聞かせください。
内山:現在、アスクルで全社横断の技術統括を担当しています。ジェネラルプロダクトマネージャーおよびテクニカルディレクターとして、プロダクト開発全体の戦略設計や組織強化に注力しています。エンジニア組織全体の方向性を定めつつ、各チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう支援するのが私の役割です。また、開発とビジネスの橋渡し役として、スループット向上やプロジェクトの円滑な推進にも関わっています。
三宅:エンジニアリングマネージャーとして、主にBtoB領域のシステム開発を担当しています。プロジェクトの進行管理や技術的な意思決定、チームメンバーの育成・評価などを担っています。
荒木:クラウドストラクチャーチームでエンジニアとして働いており、主にクラウド基盤の構築・運用を担当しています。最近は、生成AI関連のプロジェクトにも関わり、業務の自動化やサービスの高度化に取り組んでいます。
──組織のミッションを教えてください。
内山:アスクルの開発組織が掲げているミッションは、「テックカンパニーになること」です。私たちは単なる事業会社ではなく、技術力を基盤にして事業成長を支える組織を目指しています。その実現のために、特に重視しているのが「仮説検証能力とそのスピードの最大化」です。
市場の変化に迅速に対応し、仮説を立て、素早く実装・検証を繰り返すことで、お客様により良いサービスを届けることが私たちの役割だと考えています。これは開発チームに限った話ではなく、企画やビジネス部門を含めた全社で取り組んでいるテーマです。エンジニアリングの力で事業のスループットを最大化し、組織全体で素早く意思決定ができる状態を目指しています。
課題は「見えないボトルネック」。レビュー遅延をきっかけに開発生産性の可視化へ
──開発生産性の可視化に取り組もうと思った背景を教えてください。
荒木:きっかけは、コードレビューが遅いと感じたことでした。チームの体制変更をきっかけに、レビューにかかる時間が明らかに増えてしまったんです。実際、レビューが完了するまで数日かかることもあり、スムーズに開発が進まないことにストレスを感じていました。それで、「何が原因なのか」「どこを改善すべきなのか」を調べているうちに、Four Keys指標を知り、開発生産性の可視化に取り組むことを決めました。
──その時点で他のチームでも同じような課題感はあったのでしょうか?
三宅:私のチームでも生産性に課題を感じていたんですが、具体的に何が問題なのかがはっきりしないモヤモヤがありました。プロジェクト全体ではスケジュール管理ができていても、「なぜ遅れるのか」「どこにボトルネックがあるのか」が感覚でしか捉えられていなくて。エンジニアリングの観点での伸びしろを把握できていないことが課題でした。
──Findy Team+を導入するに至った経緯を教えてください。

荒木:最初はFour Keys指標を自前で計測しようとして、いろいろなツールを調べていました。Findy Team+以外にもいくつか候補はありましたが、最終的に「レビュー分析が優れている」ことが決め手になりました。 他社ツールだとブランチ名でしか計測除外の設定ができないものが多かったのですが、Findy Team+はプルリクエストのラベルでも柔軟に計測対象を調整できる点が魅力的でした。また、営業の方のサポート体制も好印象でした。
導入への壁と突破口。スループット最大化を目指した意思決定の舞台裏
──社内での導入決定までにどんなやり取りがありましたか?
荒木:最初は所属するクラウドストラクチャーチームへの導入を直属の上長に相談して「いいかもね」という反応をもらったんですが、内山さんと上長とで話し合った際に「クラウドチームだけで導入しても投資対効果が見合わないのでは?」という意見もあり、一度は見送られそうになったんです。でも、やっぱり必要だと感じたので、内山さんに直接1on1で作成した資料をもとに改めてプレゼンし、そこで内山さんから「全社観点でやるなら意味があるかもしれない」とOKをいただきました。
内山:基本的に私は「ノー」とは言わないんですが、当初はチーム単体での導入は効果が薄いかなと思っていました。ただ、荒木の話を聞いて、「全社で広く使う前提ならスループットの最大化に貢献できるかもしれない」と思ったんです。それでPoCを広い範囲でやることを決めました。
──実際にFindy Team+を導入して、どのように活用されていますか?
荒木:まずはレビュー速度の改善に取り組みました。導入前は「レビューが遅い」と感じていても、どこで時間がかかっているのかがわからなかったんです。Findy Team+を使い始めてからは、リードタイムをステップごとに可視化できたので、どこに問題があるのかが一目でわかるようになりました。 例えば、プルリクエストを作成してからレビュー依頼までに時間がかかっていたことがわかり、開発フローを見直すきっかけになりました。
三宅:私たちのチームでも、「なぜ開発が滞るのか?」が明確になったのは大きな変化です。今までは感覚で「ここが遅いかな?」と話していたのが、データを見ながら「この工程が市場平均より2日遅れているから、ここを短縮しよう」と具体的に議論できるようになりました。 特に振り返りの質が上がったことはチームにとって大きな収穫です。可視化された数字をもとにした振り返りは説得力が違いますし、改善策もスムーズに実行できるようになりました。
リードタイムが約半分に短縮。可視化とチーム巻き込みで実現した改善の連鎖
──導入後、どんな成果や変化が見られましたか?
三宅:一番わかりやすいのはリードタイムの短縮ですね。データを見て「ここを改善すれば短くなる」と思った部分に手を加えた結果、コードレビューの待ち時間が大幅に減少しました。具体的には、以前はレビュー依頼からマージまでに平均3日かかっていたものが、約1.5日まで短縮できています。

荒木:クラウドチームでもブランチ運用のルールを改善したり、GitHub Actionsを活用することで、レビュー依頼の見逃しを減らせました。 また、レビュー担当者が可視化されたことで、負荷の偏りがなくなったんです。以前は自分ばかりレビューしているなと思うこともあったんですが、データで示せるようになったことで、「もっとみんなで分担しよう」という雰囲気が自然と生まれました。

──導入後にチームメンバーや周囲の反応はいかがでしたか?
荒木:最初は「監視されているのでは?」と懸念を持つメンバーもいたんですが、定量的なデータを振り返りに活用するようになると、「自分たちで改善できるのはいいことだね」というポジティブな声が増えました。特に嬉しかったのは、メンバーから自主的に改善提案が出てくるようになったことです。「このブランチ運用を変えたらどうか?」とか、「自動化できそうなところがあるから試してみたい」など、以前は私が提案することが多かったのが、今ではチーム全体で考えるようになりました。
三宅:やっぱり「改善が数字で見える」のはモチベーションにつながりますね。成果が目に見えることで、「もう少し頑張ってみよう」という雰囲気になりました。また、リードタイムが短くなったことで、お客様への価値提供スピードも上がったと実感しています。開発者としても「自分たちの改善が直接プロダクトに反映されている」と感じられるのは大きなやりがいですね。
──Findy Team+の導入にあたって、課題や苦労したことはありましたか?
荒木:一番大きな課題は社内の巻き込みでした。ツールを導入しても、実際に使うメンバーが興味を持ってくれないと意味がありません。特に最初の頃は、「本当に必要なの?」とか、「今のやり方で十分じゃない?」という声もあって、どうやって理解を得るか悩みました。
──その課題はどうやって乗り越えたんでしょうか?
荒木:まずは信頼関係の構築から始めました。「これを導入したらこんなに良くなるんだ」といきなり押し付けるのではなく、メンバーと1on1で話したり、チームミーティングで実際のデータを見せて、改善の余地があることを丁寧に説明しました。あとは、最初に小さな成功体験を作ることを意識しましたね。クラウドチームで先に試して成果を出し、そこから他のチームに展開していくという流れにしました。
三宅:クラウドチームの取り組みが大きな推進力になりましたね。「あのチームで成果が出ているならうちもやってみようかな」と、周囲が前向きになったのを感じました。 あとは、荒木さんが活用Tipsをまとめてくれた資料がすごく役立ちました。説明会だけで終わらず、実際に使い始めた後も困った時に参照できる資料があったことで、「よくわからないから使わない」を防げたと思います。
内山:荒木の熱意の賜物ですかね。やはり推進者自身が熱意を持って周囲を巻き込みながら取り組むことと、その推進者を周りが支援するような環境を作ることが大事だと考えています。 荒木が周囲を巻き込むためのFindy Team+活用の意見交換の機会や、各チームのEM等と一緒にディスカッションする機会を作ったりしたことで徐々に他チームへも熱意が波及して行きました。
数字以上の変化。意識改革と改善サイクルの加速が生んだ組織の成長
──定量的な成果以外で、導入による変化はありましたか?
三宅:メンバーの意識変化は大きかったですね。これまでは「何となくやっていた」振り返りが、データを基にした「気付きのある振り返り」に変わりました。それに伴って、メンバーから「こうすればもっと効率よくなるのでは?」という提案が増え、改善サイクルが加速しました。
荒木:確かに。特に新人メンバーが積極的に提案を出すようになったのは嬉しい変化でしたね。例えば、ブランチルールの自動化やレビュー依頼のフロー改善など、メンバー発信で取り組んだ改善策が組織全体に良い影響を与えてくれました。 内山:私は、「データがあるから納得できる」という点が大きいと思っています。 これまでは改善提案をしても、「本当にそこが問題なの?」と議論になることもありましたが、Findy Team+を導入してからは、数値で現状を示せるので、社内説明や上層部への報告もスムーズになりました。
──成果がしっかり現れているんですね。最後に一番印象に残っている変化はありますか?
三宅:やっぱり、改善が数字で見える楽しさですね。取り組んだことが「数値改善」という形で返ってくると、チーム全体のモチベーションも上がります。
荒木:「レビュー速度が上がった!」とメンバーから言われた時は、正直嬉しかったです。頑張った甲斐があったなと実感できました。
内山:私は全社的な浸透スピードの速さに驚きました。最初は一部チームだけの取り組みでしたが、今では多くのチームがFindy Team+を活用し、成果を出しているのを見て、やってよかったなと思います。
──Findy Team+を導入し、一定の成果を感じられていると思いますが、今後の展望や目指す未来について教えてください。
内山:現在の開発現場ではリードタイムやレビュー速度の改善に成果が出ていますが、今後は企画や要件定義など上流工程の改善にも取り組んでいきたいと考えています。開発のスピードを上げるだけでなく、「なぜ遅れが発生したのか?」を全工程で振り返り、事業全体のスループット最大化を目指しています。
三宅:今は主に開発工程の可視化が中心ですが、個人的には「企画からリリースまで」のトータルリードタイム短縮にチャレンジしたいですね。エンジニアリングだけが早くても、企画やレビューで滞っていては意味がないので、開発以外の部門との連携強化も重要だと思っています。
荒木:私としては、まずは全チームへのFindy Team+浸透が直近の目標です。 まだ活用できていないチームもあるので、そこを底上げすることで、全社的な開発力の底上げを実現したいです。また、社外への取り組み発信にも力を入れていきたいですね。ゆくゆくはFindy Team+ Awardの受賞を目指し、採用ブランディングにも繋げたいと考えています。
自社の開発生産性の高さを採用に活用
──今後は社内だけでなく社外への発信も視野に入れている理由を教えてください。
荒木:取り組みを外に発信することで、採用の際に「開発生産性向上に本気で取り組んでいる会社」と認知してもらえれば、共感してくれるエンジニアの採用にもつながると思います。 三宅:実際、「改善サイクルがうまく回っているチームで働きたい」と考えるエンジニアは多いですし、Findy Team+を活用していることを採用面談で伝えると、候補者の反応が良いこともありますね。
内山:最終的には全社的に「振り返りが当たり前」の文化を根付かせたいです。何か問題があった時に、感覚や雰囲気で判断するのではなく、「データを見て判断する」ことが社内の共通言語になれば、結果的に事業成長に直結する強い開発組織がつくれると信じています。
──素晴らしい目標ですね。Findy Team+がその実現に貢献できていることを嬉しく思います。
内山:本当に導入して良かったと思っています。改善は一朝一夕にはいきませんが、「やればやるほど変わる」という実感があるので、これからも着実に取り組んでいきたいです。
──最後に、御社の開発組織や働く魅力について教えてください。 
内山:我々の組織は、内製化を進めてまだ数年の若い組織です。その分、「自分たちで組織を作り上げる」という面白さがあります。アスクルは商品開発から配送までを一気通貫で提供している珍しい会社で、開発だけでなく物流やMD(マーチャンダイジング)など幅広い領域に関われるのが魅力です。社会に直接貢献している実感を持てるのも大きなやりがいですね。
求めるのは、チャレンジ精神があり、自ら課題を見つけて動ける方。「これをやってみたい」と自発的に提案してくれる人には、どんどんチャンスを提供していきます。まだまだ組織としてもチャレンジフェーズにあるので、大きな変化を自分の手で作っていきたい方には最高の環境です。一緒に「面白い未来」を作っていきましょう!
※アスクル株式会社ではエンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。
本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
コードレビューの遅延や開発リードタイムの長期化により、リリースまでのサイクルが停滞していた。また、課題の特定や改善方法が感覚的で、客観的な判断ができていなかった。特に、レビュー完了までに数日かかることもあり、スムーズな開発の進行に支障が出ていた。
Findy Team+を導入した理由
開発生産性を定量的に測定し、改善につなげるため。レビュー速度やリードタイムの可視化、個人やチーム、過去データとの比較が可能な点が魅力的だった。
導入の決め手
他社製品と比較し、レビュー分析機能の充実度と柔軟な設定が優れていたことが決め手。また、営業の方の誠実なサポートも導入を決めた理由の一つ。
導入後:成果
レビュー依頼からマージまでの時間が平均3日から約1.5日に短縮。定量データに基づく振り返りにより、チームメンバーの改善意識が高まり、主体的な改善提案が増加した。他チームへも開発生産性向上の取り組みが波及している。
リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?
大手EC企業として幅広いサービスを展開するアスクル株式会社では、開発生産性向上とエンジニア組織の強化を目的に、エンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用しています。 今回は、テクニカルディレクター兼ジェネラルプロダクトマネージャーの内山陽介氏、Trylion集客検索チーム エンジニアリングマネージャーの三宅翔氏、クラウドストラクチャーチームの荒木泰詞氏にインタビュー。「Findy Team+」の導入背景や、開発生産性向上に向けた取り組み、得られた成果についてお話を伺いました。
──御社について教えてください。
内山:アスクルは、「明日来る」という社名の通り、お客様が必要なものを翌日にお届けするサービスを展開しています。主にBtoB向けの事業用品通販サービスを展開していますが、BtoC領域やロジスティクス、クラウドサービス、AI関連など幅広い領域をカバーしています。自社で商品の開発から物流センター運営、配送までを一貫して担っているのが特徴で、日本国内でも珍しい「一気通貫」のEコマース事業を行っています。
──皆さまの現在のご担当業務についてお聞かせください。
内山:現在、アスクルで全社横断の技術統括を担当しています。ジェネラルプロダクトマネージャーおよびテクニカルディレクターとして、プロダクト開発全体の戦略設計や組織強化に注力しています。エンジニア組織全体の方向性を定めつつ、各チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう支援するのが私の役割です。また、開発とビジネスの橋渡し役として、スループット向上やプロジェクトの円滑な推進にも関わっています。
三宅:エンジニアリングマネージャーとして、主にBtoB領域のシステム開発を担当しています。プロジェクトの進行管理や技術的な意思決定、チームメンバーの育成・評価などを担っています。
荒木:クラウドストラクチャーチームでエンジニアとして働いており、主にクラウド基盤の構築・運用を担当しています。最近は、生成AI関連のプロジェクトにも関わり、業務の自動化やサービスの高度化に取り組んでいます。
──組織のミッションを教えてください。
内山:アスクルの開発組織が掲げているミッションは、「テックカンパニーになること」です。私たちは単なる事業会社ではなく、技術力を基盤にして事業成長を支える組織を目指しています。その実現のために、特に重視しているのが「仮説検証能力とそのスピードの最大化」です。
市場の変化に迅速に対応し、仮説を立て、素早く実装・検証を繰り返すことで、お客様により良いサービスを届けることが私たちの役割だと考えています。これは開発チームに限った話ではなく、企画やビジネス部門を含めた全社で取り組んでいるテーマです。エンジニアリングの力で事業のスループットを最大化し、組織全体で素早く意思決定ができる状態を目指しています。
課題は「見えないボトルネック」。レビュー遅延をきっかけに開発生産性の可視化へ
──開発生産性の可視化に取り組もうと思った背景を教えてください。
荒木:きっかけは、コードレビューが遅いと感じたことでした。チームの体制変更をきっかけに、レビューにかかる時間が明らかに増えてしまったんです。実際、レビューが完了するまで数日かかることもあり、スムーズに開発が進まないことにストレスを感じていました。それで、「何が原因なのか」「どこを改善すべきなのか」を調べているうちに、Four Keys指標を知り、開発生産性の可視化に取り組むことを決めました。
──その時点で他のチームでも同じような課題感はあったのでしょうか?
三宅:私のチームでも生産性に課題を感じていたんですが、具体的に何が問題なのかがはっきりしないモヤモヤがありました。プロジェクト全体ではスケジュール管理ができていても、「なぜ遅れるのか」「どこにボトルネックがあるのか」が感覚でしか捉えられていなくて。エンジニアリングの観点での伸びしろを把握できていないことが課題でした。
──Findy Team+を導入するに至った経緯を教えてください。

荒木:最初はFour Keys指標を自前で計測しようとして、いろいろなツールを調べていました。Findy Team+以外にもいくつか候補はありましたが、最終的に「レビュー分析が優れている」ことが決め手になりました。 他社ツールだとブランチ名でしか計測除外の設定ができないものが多かったのですが、Findy Team+はプルリクエストのラベルでも柔軟に計測対象を調整できる点が魅力的でした。また、営業の方のサポート体制も好印象でした。
導入への壁と突破口。スループット最大化を目指した意思決定の舞台裏
──社内での導入決定までにどんなやり取りがありましたか?
荒木:最初は所属するクラウドストラクチャーチームへの導入を直属の上長に相談して「いいかもね」という反応をもらったんですが、内山さんと上長とで話し合った際に「クラウドチームだけで導入しても投資対効果が見合わないのでは?」という意見もあり、一度は見送られそうになったんです。でも、やっぱり必要だと感じたので、内山さんに直接1on1で作成した資料をもとに改めてプレゼンし、そこで内山さんから「全社観点でやるなら意味があるかもしれない」とOKをいただきました。
内山:基本的に私は「ノー」とは言わないんですが、当初はチーム単体での導入は効果が薄いかなと思っていました。ただ、荒木の話を聞いて、「全社で広く使う前提ならスループットの最大化に貢献できるかもしれない」と思ったんです。それでPoCを広い範囲でやることを決めました。
──実際にFindy Team+を導入して、どのように活用されていますか?
荒木:まずはレビュー速度の改善に取り組みました。導入前は「レビューが遅い」と感じていても、どこで時間がかかっているのかがわからなかったんです。Findy Team+を使い始めてからは、リードタイムをステップごとに可視化できたので、どこに問題があるのかが一目でわかるようになりました。 例えば、プルリクエストを作成してからレビュー依頼までに時間がかかっていたことがわかり、開発フローを見直すきっかけになりました。
三宅:私たちのチームでも、「なぜ開発が滞るのか?」が明確になったのは大きな変化です。今までは感覚で「ここが遅いかな?」と話していたのが、データを見ながら「この工程が市場平均より2日遅れているから、ここを短縮しよう」と具体的に議論できるようになりました。 特に振り返りの質が上がったことはチームにとって大きな収穫です。可視化された数字をもとにした振り返りは説得力が違いますし、改善策もスムーズに実行できるようになりました。
リードタイムが約半分に短縮。可視化とチーム巻き込みで実現した改善の連鎖
──導入後、どんな成果や変化が見られましたか?
三宅:一番わかりやすいのはリードタイムの短縮ですね。データを見て「ここを改善すれば短くなる」と思った部分に手を加えた結果、コードレビューの待ち時間が大幅に減少しました。具体的には、以前はレビュー依頼からマージまでに平均3日かかっていたものが、約1.5日まで短縮できています。

荒木:クラウドチームでもブランチ運用のルールを改善したり、GitHub Actionsを活用することで、レビュー依頼の見逃しを減らせました。 また、レビュー担当者が可視化されたことで、負荷の偏りがなくなったんです。以前は自分ばかりレビューしているなと思うこともあったんですが、データで示せるようになったことで、「もっとみんなで分担しよう」という雰囲気が自然と生まれました。

──導入後にチームメンバーや周囲の反応はいかがでしたか?
荒木:最初は「監視されているのでは?」と懸念を持つメンバーもいたんですが、定量的なデータを振り返りに活用するようになると、「自分たちで改善できるのはいいことだね」というポジティブな声が増えました。特に嬉しかったのは、メンバーから自主的に改善提案が出てくるようになったことです。「このブランチ運用を変えたらどうか?」とか、「自動化できそうなところがあるから試してみたい」など、以前は私が提案することが多かったのが、今ではチーム全体で考えるようになりました。
三宅:やっぱり「改善が数字で見える」のはモチベーションにつながりますね。成果が目に見えることで、「もう少し頑張ってみよう」という雰囲気になりました。また、リードタイムが短くなったことで、お客様への価値提供スピードも上がったと実感しています。開発者としても「自分たちの改善が直接プロダクトに反映されている」と感じられるのは大きなやりがいですね。
──Findy Team+の導入にあたって、課題や苦労したことはありましたか?
荒木:一番大きな課題は社内の巻き込みでした。ツールを導入しても、実際に使うメンバーが興味を持ってくれないと意味がありません。特に最初の頃は、「本当に必要なの?」とか、「今のやり方で十分じゃない?」という声もあって、どうやって理解を得るか悩みました。
──その課題はどうやって乗り越えたんでしょうか?
荒木:まずは信頼関係の構築から始めました。「これを導入したらこんなに良くなるんだ」といきなり押し付けるのではなく、メンバーと1on1で話したり、チームミーティングで実際のデータを見せて、改善の余地があることを丁寧に説明しました。あとは、最初に小さな成功体験を作ることを意識しましたね。クラウドチームで先に試して成果を出し、そこから他のチームに展開していくという流れにしました。
三宅:クラウドチームの取り組みが大きな推進力になりましたね。「あのチームで成果が出ているならうちもやってみようかな」と、周囲が前向きになったのを感じました。 あとは、荒木さんが活用Tipsをまとめてくれた資料がすごく役立ちました。説明会だけで終わらず、実際に使い始めた後も困った時に参照できる資料があったことで、「よくわからないから使わない」を防げたと思います。
内山:荒木の熱意の賜物ですかね。やはり推進者自身が熱意を持って周囲を巻き込みながら取り組むことと、その推進者を周りが支援するような環境を作ることが大事だと考えています。 荒木が周囲を巻き込むためのFindy Team+活用の意見交換の機会や、各チームのEM等と一緒にディスカッションする機会を作ったりしたことで徐々に他チームへも熱意が波及して行きました。
数字以上の変化。意識改革と改善サイクルの加速が生んだ組織の成長
──定量的な成果以外で、導入による変化はありましたか?
三宅:メンバーの意識変化は大きかったですね。これまでは「何となくやっていた」振り返りが、データを基にした「気付きのある振り返り」に変わりました。それに伴って、メンバーから「こうすればもっと効率よくなるのでは?」という提案が増え、改善サイクルが加速しました。
荒木:確かに。特に新人メンバーが積極的に提案を出すようになったのは嬉しい変化でしたね。例えば、ブランチルールの自動化やレビュー依頼のフロー改善など、メンバー発信で取り組んだ改善策が組織全体に良い影響を与えてくれました。 内山:私は、「データがあるから納得できる」という点が大きいと思っています。 これまでは改善提案をしても、「本当にそこが問題なの?」と議論になることもありましたが、Findy Team+を導入してからは、数値で現状を示せるので、社内説明や上層部への報告もスムーズになりました。
──成果がしっかり現れているんですね。最後に一番印象に残っている変化はありますか?
三宅:やっぱり、改善が数字で見える楽しさですね。取り組んだことが「数値改善」という形で返ってくると、チーム全体のモチベーションも上がります。
荒木:「レビュー速度が上がった!」とメンバーから言われた時は、正直嬉しかったです。頑張った甲斐があったなと実感できました。
内山:私は全社的な浸透スピードの速さに驚きました。最初は一部チームだけの取り組みでしたが、今では多くのチームがFindy Team+を活用し、成果を出しているのを見て、やってよかったなと思います。
──Findy Team+を導入し、一定の成果を感じられていると思いますが、今後の展望や目指す未来について教えてください。
内山:現在の開発現場ではリードタイムやレビュー速度の改善に成果が出ていますが、今後は企画や要件定義など上流工程の改善にも取り組んでいきたいと考えています。開発のスピードを上げるだけでなく、「なぜ遅れが発生したのか?」を全工程で振り返り、事業全体のスループット最大化を目指しています。
三宅:今は主に開発工程の可視化が中心ですが、個人的には「企画からリリースまで」のトータルリードタイム短縮にチャレンジしたいですね。エンジニアリングだけが早くても、企画やレビューで滞っていては意味がないので、開発以外の部門との連携強化も重要だと思っています。
荒木:私としては、まずは全チームへのFindy Team+浸透が直近の目標です。 まだ活用できていないチームもあるので、そこを底上げすることで、全社的な開発力の底上げを実現したいです。また、社外への取り組み発信にも力を入れていきたいですね。ゆくゆくはFindy Team+ Awardの受賞を目指し、採用ブランディングにも繋げたいと考えています。
自社の開発生産性の高さを採用に活用
──今後は社内だけでなく社外への発信も視野に入れている理由を教えてください。
荒木:取り組みを外に発信することで、採用の際に「開発生産性向上に本気で取り組んでいる会社」と認知してもらえれば、共感してくれるエンジニアの採用にもつながると思います。 三宅:実際、「改善サイクルがうまく回っているチームで働きたい」と考えるエンジニアは多いですし、Findy Team+を活用していることを採用面談で伝えると、候補者の反応が良いこともありますね。
内山:最終的には全社的に「振り返りが当たり前」の文化を根付かせたいです。何か問題があった時に、感覚や雰囲気で判断するのではなく、「データを見て判断する」ことが社内の共通言語になれば、結果的に事業成長に直結する強い開発組織がつくれると信じています。
──素晴らしい目標ですね。Findy Team+がその実現に貢献できていることを嬉しく思います。
内山:本当に導入して良かったと思っています。改善は一朝一夕にはいきませんが、「やればやるほど変わる」という実感があるので、これからも着実に取り組んでいきたいです。
──最後に、御社の開発組織や働く魅力について教えてください。 
内山:我々の組織は、内製化を進めてまだ数年の若い組織です。その分、「自分たちで組織を作り上げる」という面白さがあります。アスクルは商品開発から配送までを一気通貫で提供している珍しい会社で、開発だけでなく物流やMD(マーチャンダイジング)など幅広い領域に関われるのが魅力です。社会に直接貢献している実感を持てるのも大きなやりがいですね。
求めるのは、チャレンジ精神があり、自ら課題を見つけて動ける方。「これをやってみたい」と自発的に提案してくれる人には、どんどんチャンスを提供していきます。まだまだ組織としてもチャレンジフェーズにあるので、大きな変化を自分の手で作っていきたい方には最高の環境です。一緒に「面白い未来」を作っていきましょう!
※アスクル株式会社ではエンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。
リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?

本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
コードレビューの遅延や開発リードタイムの長期化により、リリースまでのサイクルが停滞していた。また、課題の特定や改善方法が感覚的で、客観的な判断ができていなかった。特に、レビュー完了までに数日かかることもあり、スムーズな開発の進行に支障が出ていた。
Findy Team+を導入した理由
開発生産性を定量的に測定し、改善につなげるため。レビュー速度やリードタイムの可視化、個人やチーム、過去データとの比較が可能な点が魅力的だった。
導入の決め手
他社製品と比較し、レビュー分析機能の充実度と柔軟な設定が優れていたことが決め手。また、営業の方の誠実なサポートも導入を決めた理由の一つ。
導入後:成果
レビュー依頼からマージまでの時間が平均3日から約1.5日に短縮。定量データに基づく振り返りにより、チームメンバーの改善意識が高まり、主体的な改善提案が増加した。他チームへも開発生産性向上の取り組みが波及している。
リードタイムを50%短縮し、スループットの最大化へ。熱意を波及させつつデータドリブンな開発改善を進めるアスクル株式会社の取り組みとは?
大手EC企業として幅広いサービスを展開するアスクル株式会社では、開発生産性向上とエンジニア組織の強化を目的に、エンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用しています。 今回は、テクニカルディレクター兼ジェネラルプロダクトマネージャーの内山陽介氏、Trylion集客検索チーム エンジニアリングマネージャーの三宅翔氏、クラウドストラクチャーチームの荒木泰詞氏にインタビュー。「Findy Team+」の導入背景や、開発生産性向上に向けた取り組み、得られた成果についてお話を伺いました。
──御社について教えてください。
内山:アスクルは、「明日来る」という社名の通り、お客様が必要なものを翌日にお届けするサービスを展開しています。主にBtoB向けの事業用品通販サービスを展開していますが、BtoC領域やロジスティクス、クラウドサービス、AI関連など幅広い領域をカバーしています。自社で商品の開発から物流センター運営、配送までを一貫して担っているのが特徴で、日本国内でも珍しい「一気通貫」のEコマース事業を行っています。
──皆さまの現在のご担当業務についてお聞かせください。
内山:現在、アスクルで全社横断の技術統括を担当しています。ジェネラルプロダクトマネージャーおよびテクニカルディレクターとして、プロダクト開発全体の戦略設計や組織強化に注力しています。エンジニア組織全体の方向性を定めつつ、各チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう支援するのが私の役割です。また、開発とビジネスの橋渡し役として、スループット向上やプロジェクトの円滑な推進にも関わっています。
三宅:エンジニアリングマネージャーとして、主にBtoB領域のシステム開発を担当しています。プロジェクトの進行管理や技術的な意思決定、チームメンバーの育成・評価などを担っています。
荒木:クラウドストラクチャーチームでエンジニアとして働いており、主にクラウド基盤の構築・運用を担当しています。最近は、生成AI関連のプロジェクトにも関わり、業務の自動化やサービスの高度化に取り組んでいます。
──組織のミッションを教えてください。
内山:アスクルの開発組織が掲げているミッションは、「テックカンパニーになること」です。私たちは単なる事業会社ではなく、技術力を基盤にして事業成長を支える組織を目指しています。その実現のために、特に重視しているのが「仮説検証能力とそのスピードの最大化」です。
市場の変化に迅速に対応し、仮説を立て、素早く実装・検証を繰り返すことで、お客様により良いサービスを届けることが私たちの役割だと考えています。これは開発チームに限った話ではなく、企画やビジネス部門を含めた全社で取り組んでいるテーマです。エンジニアリングの力で事業のスループットを最大化し、組織全体で素早く意思決定ができる状態を目指しています。
課題は「見えないボトルネック」。レビュー遅延をきっかけに開発生産性の可視化へ
──開発生産性の可視化に取り組もうと思った背景を教えてください。
荒木:きっかけは、コードレビューが遅いと感じたことでした。チームの体制変更をきっかけに、レビューにかかる時間が明らかに増えてしまったんです。実際、レビューが完了するまで数日かかることもあり、スムーズに開発が進まないことにストレスを感じていました。それで、「何が原因なのか」「どこを改善すべきなのか」を調べているうちに、Four Keys指標を知り、開発生産性の可視化に取り組むことを決めました。
──その時点で他のチームでも同じような課題感はあったのでしょうか?
三宅:私のチームでも生産性に課題を感じていたんですが、具体的に何が問題なのかがはっきりしないモヤモヤがありました。プロジェクト全体ではスケジュール管理ができていても、「なぜ遅れるのか」「どこにボトルネックがあるのか」が感覚でしか捉えられていなくて。エンジニアリングの観点での伸びしろを把握できていないことが課題でした。
──Findy Team+を導入するに至った経緯を教えてください。

荒木:最初はFour Keys指標を自前で計測しようとして、いろいろなツールを調べていました。Findy Team+以外にもいくつか候補はありましたが、最終的に「レビュー分析が優れている」ことが決め手になりました。 他社ツールだとブランチ名でしか計測除外の設定ができないものが多かったのですが、Findy Team+はプルリクエストのラベルでも柔軟に計測対象を調整できる点が魅力的でした。また、営業の方のサポート体制も好印象でした。
導入への壁と突破口。スループット最大化を目指した意思決定の舞台裏
──社内での導入決定までにどんなやり取りがありましたか?
荒木:最初は所属するクラウドストラクチャーチームへの導入を直属の上長に相談して「いいかもね」という反応をもらったんですが、内山さんと上長とで話し合った際に「クラウドチームだけで導入しても投資対効果が見合わないのでは?」という意見もあり、一度は見送られそうになったんです。でも、やっぱり必要だと感じたので、内山さんに直接1on1で作成した資料をもとに改めてプレゼンし、そこで内山さんから「全社観点でやるなら意味があるかもしれない」とOKをいただきました。
内山:基本的に私は「ノー」とは言わないんですが、当初はチーム単体での導入は効果が薄いかなと思っていました。ただ、荒木の話を聞いて、「全社で広く使う前提ならスループットの最大化に貢献できるかもしれない」と思ったんです。それでPoCを広い範囲でやることを決めました。
──実際にFindy Team+を導入して、どのように活用されていますか?
荒木:まずはレビュー速度の改善に取り組みました。導入前は「レビューが遅い」と感じていても、どこで時間がかかっているのかがわからなかったんです。Findy Team+を使い始めてからは、リードタイムをステップごとに可視化できたので、どこに問題があるのかが一目でわかるようになりました。 例えば、プルリクエストを作成してからレビュー依頼までに時間がかかっていたことがわかり、開発フローを見直すきっかけになりました。
三宅:私たちのチームでも、「なぜ開発が滞るのか?」が明確になったのは大きな変化です。今までは感覚で「ここが遅いかな?」と話していたのが、データを見ながら「この工程が市場平均より2日遅れているから、ここを短縮しよう」と具体的に議論できるようになりました。 特に振り返りの質が上がったことはチームにとって大きな収穫です。可視化された数字をもとにした振り返りは説得力が違いますし、改善策もスムーズに実行できるようになりました。
リードタイムが約半分に短縮。可視化とチーム巻き込みで実現した改善の連鎖
──導入後、どんな成果や変化が見られましたか?
三宅:一番わかりやすいのはリードタイムの短縮ですね。データを見て「ここを改善すれば短くなる」と思った部分に手を加えた結果、コードレビューの待ち時間が大幅に減少しました。具体的には、以前はレビュー依頼からマージまでに平均3日かかっていたものが、約1.5日まで短縮できています。

荒木:クラウドチームでもブランチ運用のルールを改善したり、GitHub Actionsを活用することで、レビュー依頼の見逃しを減らせました。 また、レビュー担当者が可視化されたことで、負荷の偏りがなくなったんです。以前は自分ばかりレビューしているなと思うこともあったんですが、データで示せるようになったことで、「もっとみんなで分担しよう」という雰囲気が自然と生まれました。

──導入後にチームメンバーや周囲の反応はいかがでしたか?
荒木:最初は「監視されているのでは?」と懸念を持つメンバーもいたんですが、定量的なデータを振り返りに活用するようになると、「自分たちで改善できるのはいいことだね」というポジティブな声が増えました。特に嬉しかったのは、メンバーから自主的に改善提案が出てくるようになったことです。「このブランチ運用を変えたらどうか?」とか、「自動化できそうなところがあるから試してみたい」など、以前は私が提案することが多かったのが、今ではチーム全体で考えるようになりました。
三宅:やっぱり「改善が数字で見える」のはモチベーションにつながりますね。成果が目に見えることで、「もう少し頑張ってみよう」という雰囲気になりました。また、リードタイムが短くなったことで、お客様への価値提供スピードも上がったと実感しています。開発者としても「自分たちの改善が直接プロダクトに反映されている」と感じられるのは大きなやりがいですね。
──Findy Team+の導入にあたって、課題や苦労したことはありましたか?
荒木:一番大きな課題は社内の巻き込みでした。ツールを導入しても、実際に使うメンバーが興味を持ってくれないと意味がありません。特に最初の頃は、「本当に必要なの?」とか、「今のやり方で十分じゃない?」という声もあって、どうやって理解を得るか悩みました。
──その課題はどうやって乗り越えたんでしょうか?
荒木:まずは信頼関係の構築から始めました。「これを導入したらこんなに良くなるんだ」といきなり押し付けるのではなく、メンバーと1on1で話したり、チームミーティングで実際のデータを見せて、改善の余地があることを丁寧に説明しました。あとは、最初に小さな成功体験を作ることを意識しましたね。クラウドチームで先に試して成果を出し、そこから他のチームに展開していくという流れにしました。
三宅:クラウドチームの取り組みが大きな推進力になりましたね。「あのチームで成果が出ているならうちもやってみようかな」と、周囲が前向きになったのを感じました。 あとは、荒木さんが活用Tipsをまとめてくれた資料がすごく役立ちました。説明会だけで終わらず、実際に使い始めた後も困った時に参照できる資料があったことで、「よくわからないから使わない」を防げたと思います。
内山:荒木の熱意の賜物ですかね。やはり推進者自身が熱意を持って周囲を巻き込みながら取り組むことと、その推進者を周りが支援するような環境を作ることが大事だと考えています。 荒木が周囲を巻き込むためのFindy Team+活用の意見交換の機会や、各チームのEM等と一緒にディスカッションする機会を作ったりしたことで徐々に他チームへも熱意が波及して行きました。
数字以上の変化。意識改革と改善サイクルの加速が生んだ組織の成長
──定量的な成果以外で、導入による変化はありましたか?
三宅:メンバーの意識変化は大きかったですね。これまでは「何となくやっていた」振り返りが、データを基にした「気付きのある振り返り」に変わりました。それに伴って、メンバーから「こうすればもっと効率よくなるのでは?」という提案が増え、改善サイクルが加速しました。
荒木:確かに。特に新人メンバーが積極的に提案を出すようになったのは嬉しい変化でしたね。例えば、ブランチルールの自動化やレビュー依頼のフロー改善など、メンバー発信で取り組んだ改善策が組織全体に良い影響を与えてくれました。 内山:私は、「データがあるから納得できる」という点が大きいと思っています。 これまでは改善提案をしても、「本当にそこが問題なの?」と議論になることもありましたが、Findy Team+を導入してからは、数値で現状を示せるので、社内説明や上層部への報告もスムーズになりました。
──成果がしっかり現れているんですね。最後に一番印象に残っている変化はありますか?
三宅:やっぱり、改善が数字で見える楽しさですね。取り組んだことが「数値改善」という形で返ってくると、チーム全体のモチベーションも上がります。
荒木:「レビュー速度が上がった!」とメンバーから言われた時は、正直嬉しかったです。頑張った甲斐があったなと実感できました。
内山:私は全社的な浸透スピードの速さに驚きました。最初は一部チームだけの取り組みでしたが、今では多くのチームがFindy Team+を活用し、成果を出しているのを見て、やってよかったなと思います。
──Findy Team+を導入し、一定の成果を感じられていると思いますが、今後の展望や目指す未来について教えてください。
内山:現在の開発現場ではリードタイムやレビュー速度の改善に成果が出ていますが、今後は企画や要件定義など上流工程の改善にも取り組んでいきたいと考えています。開発のスピードを上げるだけでなく、「なぜ遅れが発生したのか?」を全工程で振り返り、事業全体のスループット最大化を目指しています。
三宅:今は主に開発工程の可視化が中心ですが、個人的には「企画からリリースまで」のトータルリードタイム短縮にチャレンジしたいですね。エンジニアリングだけが早くても、企画やレビューで滞っていては意味がないので、開発以外の部門との連携強化も重要だと思っています。
荒木:私としては、まずは全チームへのFindy Team+浸透が直近の目標です。 まだ活用できていないチームもあるので、そこを底上げすることで、全社的な開発力の底上げを実現したいです。また、社外への取り組み発信にも力を入れていきたいですね。ゆくゆくはFindy Team+ Awardの受賞を目指し、採用ブランディングにも繋げたいと考えています。
自社の開発生産性の高さを採用に活用
──今後は社内だけでなく社外への発信も視野に入れている理由を教えてください。
荒木:取り組みを外に発信することで、採用の際に「開発生産性向上に本気で取り組んでいる会社」と認知してもらえれば、共感してくれるエンジニアの採用にもつながると思います。 三宅:実際、「改善サイクルがうまく回っているチームで働きたい」と考えるエンジニアは多いですし、Findy Team+を活用していることを採用面談で伝えると、候補者の反応が良いこともありますね。
内山:最終的には全社的に「振り返りが当たり前」の文化を根付かせたいです。何か問題があった時に、感覚や雰囲気で判断するのではなく、「データを見て判断する」ことが社内の共通言語になれば、結果的に事業成長に直結する強い開発組織がつくれると信じています。
──素晴らしい目標ですね。Findy Team+がその実現に貢献できていることを嬉しく思います。
内山:本当に導入して良かったと思っています。改善は一朝一夕にはいきませんが、「やればやるほど変わる」という実感があるので、これからも着実に取り組んでいきたいです。
──最後に、御社の開発組織や働く魅力について教えてください。 
内山:我々の組織は、内製化を進めてまだ数年の若い組織です。その分、「自分たちで組織を作り上げる」という面白さがあります。アスクルは商品開発から配送までを一気通貫で提供している珍しい会社で、開発だけでなく物流やMD(マーチャンダイジング)など幅広い領域に関われるのが魅力です。社会に直接貢献している実感を持てるのも大きなやりがいですね。
求めるのは、チャレンジ精神があり、自ら課題を見つけて動ける方。「これをやってみたい」と自発的に提案してくれる人には、どんどんチャンスを提供していきます。まだまだ組織としてもチャレンジフェーズにあるので、大きな変化を自分の手で作っていきたい方には最高の環境です。一緒に「面白い未来」を作っていきましょう!
※アスクル株式会社ではエンジニアを募集しています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。






