アジャイル開発組織の組成と苦労:ポーラ・オルビスホールディングスの挑戦【11/26開催・内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発イベントレポート】
アジャイル開発組織の組成と苦労:ポーラ・オルビスホールディングスの挑戦【11/26開催・内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発イベントレポート】

目次
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2025年11月26日、ファインディ株式会社が主催するイベント「内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発」がハイブリッドで開催されました。
本記事では、「POLA」や「ORBIS」などの多様なブランドを展開し、国内化粧品大手としてDXや組織改革を推進する、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスの早川 美穂氏によるセッション「アジャイル開発組織の組成と苦労」の模様をお届けします。
◾️登壇者プロフィール
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
グループデジタルソリューションセンター ITプロダクト開発チームリーダー
早川 美穂
【略歴】
新卒でSIerに入社し金融系のシステム開発を担当。2017年にオルビス株式会社へ入社。 システム担当として運用保守や開発案件を担当。2023年から内製開発チームを発足しマネージャーとして新規体制の構築に尽力中。

皆さんこんばんは。ポーラ・オルビスホールディングスの早川と申します。
本日は、私たちの組織で組成した「アジャイル開発組織」の取り組みについてお話しさせていただきます。
1.会社・組織紹介:ポーラ・オルビスグループの3つの強み
会社についてご紹介させていただきます。ポーラ・オルビスホールディングス(以下、POグループ)は、2006年設立の会社です。
ポーラを創業ブランドとして、2029年に創業100周年を迎える、化粧品を中心としたビューティーブランドの企業グループになります。
グループ会社として株式会社ポーラ、オルビス株式会社、研究開発を行うポーラ化成工業株式会社など、様々なグループ会社を有しております。

私たちPOグループの強みとして、ダイレクトセリング・研究開発力・マルチブランド戦略の3つがございます。
創業ブランドであるポーラは、訪問販売事業からスタートしました。
お客様一人ひとりに適したお手入れ方法や美容体験を、ブランド体験と共に提供したいという想いが原点です。
そのため現在も、販売チャネルとしては、お客様と直接的な繋がりを持って商品を販売することを事業の核としております。
また、グループ内にマルチブランドを有することで多様化するニーズへの柔軟な対応が可能であり、研究開発・生産を担う会社を有しているため提供するプロダクトには絶対の自信を持っています。

私の所属するグループデジタルソリューションセンター(以下、GDSC)の組織についてもご紹介させていただきます。
POグループ全体のITを担う部門になっているので、13チームと非常にチーム数が多いです。
その中のITプロダクト開発チームに所属しており、この13チームある中で、アプリの内製開発をしているのは私たちのチームだけになっています。

他チームにはない独自の取り組みを行っているため、組織の拡大や浸透に苦労しているのが現状です。
今日は今まで取り組んできたことについてご紹介させていただきます。
2.内製化の背景: ベンダー依存からの脱却。アジリティと変化対応力を取り戻す
まずは、開発チーム発足の背景をお話しさせていただきます。
POグループのシステム開発は、基本的に事業部側とGDSCのメンバーが共同してプロジェクトを推進しており、実際に開発をするのはITベンダー様という体制になっております。
GDSCの組織全体を見ても、大半がベンダー様にお願いをするプロジェクト体制になっています。

しかし、ベンダー様の人材確保が困難となりデジタルプロダクトの変化対応力やアジリティが低下してしまったり、外部依存度が高くなってしまうため、プロダクトがブラックボックス化するといった課題がありました。
このデジタルプロダクトの開発スピードが課題となり、グループ全体のビジネスの変化対応力が低下するという危機を感じておりました。
変化対応力を高めて、市場、お客様のニーズ、技術トレンドに柔軟に対応できるようにするために、私たち自身の手で開発できる体制を作りたいという思いから、内製開発チームを発足しています。
3. 開発チームのMVV:「ファーストペンギン」として挑む。既存の置き換えではない、進化価値創造へのチーム定義
私たちの開発チームのミッション、ビジョン、バリューはこのように定めております。

ミッションは、「デジタルプロダクトを活用したDX推進をリードする」ことです。
ビジョンは、「スピード・柔軟性・体験価値を武器に、内製の力でPOグループの競争力を高める」ことを考えております。
バリューとして、スピード、柔軟性、体験価値という3つの軸をもとに、「早く届ける、自在に作る、期待を超える」と設定しております。
右側にいるペンギンは、チームの非公式キャラクターです。ファーストペンギンをイメージしています。
開発のスコープは「新価値創造」を目的とし、お客様との関係性が大きく、迅速な対応を行う必要がある領域と定めています。
POグループ全体としてデジタルプロダクトがたくさんあるのですが、すべてを担うことや、既存ベンダー様ができないから内製に置き換えるなどは目的としては掲げておらず、新しい価値を創造していかないといけない領域をスコープとしております。
4. 開発チームのこれまでの歩み:エンジニア1名・PoCからの歩み。組織拡大と2チーム制、そしてAI活用へ
私たちのチームの歩みについてご紹介させていただきます。

上にあるグラフがエンジニアの社員数になっています。私たちのチームは2023年に発足しており、最初はエンジニア社員1名の状態でした。
その後しばらくエンジニアの採用がうまくいきませんでしたが、2024年に一気に3人入社いただき、今年の末にはエンジニア6名の体制で開発組織を組成しております。
スクラムマスターは2023年に入社しておりますので、エンジニア6名とスクラムマスター、そして私を含めた体制になっています。
2023年当初のチーム発足時は、PoC開発という形で簡単なアプリケーションの開発をし、その後オルビスブランド内で使うプロダクトの開発を行ってきました。
2024年に入ってエンジニアの社員が増えたので体制を少し拡大し、2025年に入ってからはAI活用を本格的に開始しつつ、社内だけでなくお客様に使っていただくプロダクト開発にトライし始めているというのが現在の状況になっています。
開発体制としてはアジャイルスクラムチームを組成しており、2チーム体制で開発をしています。※2025年11月時点

プロジェクトの都合によって1チームはアジャイルスクラムの形ではなく、事業部門と共同の開発体制という形なので少し特殊ですが、基本的に開発チームはアジャイルスクラムの形で組成をしております。
社員エンジニアは6名しかいないので、社員だけでなく業務委託の方も含めたチーム組成になっています。
5. 立ち上げ期の光と影:成果を生んだ“プロダクトスプラッシュプロジェクト”と“アジャマイザー”
ここからは、現在の開発体制に至るまでの取り組みにおいて、うまくいかなかったことや成果に繋がった取り組みについてお話しさせていただきます。
立ち上げ期の試行錯誤:オフショア体制と案件選定の「誤算」
まず、組織立ち上げの際にあまりうまくいかなかったことについてお話しさせていただきます。大きく分けて3つあります。

- 1人目のエンジニア採用の苦戦
初めてのエンジニア採用なので、面接でスキル面の見極めの壁にぶつかりました。現在はコードテストを活用し、客観的にスキルを評価できるような手法を取り入れて採用活動に取り組んでおります。今後はリファラル採用なども行いつつ、エンジニアの採用を加速していきたいなと思っています。
- オフショア体制
当初、社員のエンジニアが1名しかいなかったということもあり、オフショアエンジニアの活用をしておりました。
国内のエンジニアのメンバーと、ベトナムのラボという形で体制を作り、国内とベトナムのエンジニアが1つのスクラムチームとなって動くというような想定で最初は動いておりました。
しかし、この体制にはコミュニケーションの課題がありました。スクラム開発において密な連携は不可欠ですが、言語や文化の壁もあり円滑に進まない場面がありました。
また、ベトナム側のメンバーは設計などの上流工程に慣れていないケースがあり、結果として国内エンジニアが受け入れ対応やフォローに追われ、負担が大きくなり、自分で開発をする時間がなかなか取れないといった課題が発生しました。そういった課題を受けて現在このオフショア体制は解除しております。

ただ、オフショアのエンジニアの方々の開発スキルは非常に高いと感じましたので、組織立ち上げフェーズではふさわしくなかったかもしれませんが、開発チームが成熟した際には、受け入れ体制を確保した上で委託することは有効だと思っております。
- プロジェクト選定
開発チームを組成してPoC開発を行った後、その次の案件として対応していたのが、オルビスブランドで使っている基幹システムをマイクロサービス化するプロジェクトでした。
社内で使うアプリケーションになるのですが、内容が複雑で成果創出に時間がかかりました。
システム課題の解決という要素が大きいので、事業上の成果が薄いこともあり、開発を頑張ってもなかなかプレゼンスが上がりにくいといった課題がありました。開発組織を立ち上げてすぐのプロジェクトとしては、少し難しいものだったかなと今になって思っております。
最初に開発をするのであれば、規模が大きすぎない短期間のプロジェクトをどんどん積み重ねていく方が良かったのではないかと思います。
成果への転換:「スプラッシュ」と「アジャマイザー」による文化醸成
次は、逆に成果に繋がったと思う取り組みについてもお話しさせていただきます。

- まずはプロダクトを開発しリリースすること
まずプロダクトを作ってリリースするということは非常に大事だと感じました。採用活動においても、「こんなのを作ってますよ」と開発したプロダクトを見ていただくことで、エンジニアの入社が加速したという実感もあります。
その際にポイントだと思ったことが2点あります。
1つ目は、当初は開発のルールや環境整備など先に決めた方がいいと思って進めていましたが、実際は事前に整備するのは難しく、開発しながら必要なものを整備していく方がスムーズだったと思っています。
2つ目は、アジャイルをしっかり推進するには、スクラムマスターを確保し、そのアジャイルのルール通りに進めていくということが非常に大事だと思っております。昨日あった嬉しいことですが、最近中途で入社したメンバーと1on1をしていて、「入社して何かギャップに思ったことはあるか?」と聞いたら「ちゃんとアジャイルしていて驚きました」という風に言われました。
外から来たメンバーに、アジャイル風のプロセスではなく「ちゃんとアジャイルやってるな」と思ってもらえているのはすごく嬉しいことです。
スクラムマスターがしっかり機能し、スクラムのルール通りに進めることがアジャイル文化定着に効果があったと思っています。
- 成熟度向上の取り組み
もう1点成果に繋がった取り組みとして、成熟度向上の取り組みがあります。大きく分けて2つあります。
a) プロダクトスプラッシュプロジェクト
スプラッシュプロジェクトとは、未経験の言語やAI駆動開発など、実際の業務でいきなり試すのは難しいことを試す「学習を主目的とした開発」を行う取り組みです。
この取り組みでは、プロジェクト外の開発を行っています。1日スプラッシュの開発をする日を設け、ハッカソン的なイベントをチーム内で開催することもありました。
スプラッシュで開発しているプロダクトは、業務効率化の観点、コミュニケーション活性、ITプロダクト開発チームのプレゼンス向上など様々な目的のものがありますが、飲み会を設定するアプリや、チーム内で順番に発言したい時にランダムで選んでくれるようなアプリなど、ちょっとしたアプリケーションを数多く作っております。

0からの開発経験が積めるというメリットがあり、エンジニアが自由に開発できるので、モチベーションがすごく上がる取り組みになっています。
また、実際にスプラッシュで作ったプロダクトをGDSC内で展開して使ってもらうことで、チームのプレゼンス向上にも貢献していると思っています。
b)アジャマイザー
これはアジャイルの価値を最大化する「アジャイルマキシマイザー」の略で、Four Keys の指標を可視化したり、開発の効率化をしたり、開発チームの成熟度を上げるための取り組み全てを総称した名前になっています。チームメンバー全員で検討した造語です。
開発チームを育てていくためには色々やらないといけないことがたくさんあると思うのですが、テーマごとに担当者を決め、自分たちで課題を設定して改善をしていくというやり方をしています。
メンバー自身で「これをやったらもっとチームが良くなるのでは」というのを考えながら実行しており、改善をする組織文化を醸成するのに有効だったと思っています。
6. 現在の悩みと今後の展望:AIエージェントと共に目指すAI自律駆動開発
現在の悩み:内製開発チームの価値浸透と人材確保
私たちの開発チームは、発足からまもなく3年を迎えます。本日は、この3年間で直面した課題と現在の悩みについてお話しします。
今悩んでいるポイントとしては4つあります。

- 開発チームの価値理解と浸透
GDSCの組織はたくさんあるのですが、アプリを内製開発しているチームは私たちだけになるので、なぜ内製開発をしないといけないのかという価値を理解してもらい、浸透させるのは難しいと感じている部分があります。
- 顧客接点の経験不足
私たちのスコープは、お客様との関係性など変化対応力を必要とする領域と定めているのですが、今までは社内プロダクト開発実績が多いので、お客様に使っていただけるようなプロダクトをもっと開発していきたいと思っています。
- テックリード/デザイナーポジションの不足
エンジニアが増えてきて徐々にチームを拡大できていますが、テックリードポジションやデザイナーポジションなど、不在のポジションがあるので、しっかり採用活動をしていきたいと思っています。
- AIネイティブ開発によるさらなる生産性向上
本日のテーマにもなっていますが、AIネイティブ開発でさらなる生産性を向上を図りたいと考えています。
AIネイティブへの進化:人が「レビューのみ」を行う未来
AIネイティブ開発に関してですが、現在は開発の補完ツールとしてAIを使っている状況です
今後は、エンジニアだけでなく、プロダクトオーナーやスクラムマスターなど、あらゆるポジション・フェーズでAIを活用します。人は「作業指示」と「レビュー」に集中する、そのような効率的な開発体制の構築を目指しています。

私たちの開発の取り組みに関しては以上になります。エンジニアポジションを様々募集しておりますので、もしご興味ある方はこちらを見ていただければと思います。

以上になります。ご清聴ありがとうございました。
2025年11月26日、ファインディ株式会社が主催するイベント「内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発」がハイブリッドで開催されました。
本記事では、「POLA」や「ORBIS」などの多様なブランドを展開し、国内化粧品大手としてDXや組織改革を推進する、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスの早川 美穂氏によるセッション「アジャイル開発組織の組成と苦労」の模様をお届けします。
◾️登壇者プロフィール
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
グループデジタルソリューションセンター ITプロダクト開発チームリーダー
早川 美穂
【略歴】
新卒でSIerに入社し金融系のシステム開発を担当。2017年にオルビス株式会社へ入社。 システム担当として運用保守や開発案件を担当。2023年から内製開発チームを発足しマネージャーとして新規体制の構築に尽力中。

皆さんこんばんは。ポーラ・オルビスホールディングスの早川と申します。
本日は、私たちの組織で組成した「アジャイル開発組織」の取り組みについてお話しさせていただきます。
1.会社・組織紹介:ポーラ・オルビスグループの3つの強み
会社についてご紹介させていただきます。ポーラ・オルビスホールディングス(以下、POグループ)は、2006年設立の会社です。
ポーラを創業ブランドとして、2029年に創業100周年を迎える、化粧品を中心としたビューティーブランドの企業グループになります。
グループ会社として株式会社ポーラ、オルビス株式会社、研究開発を行うポーラ化成工業株式会社など、様々なグループ会社を有しております。

私たちPOグループの強みとして、ダイレクトセリング・研究開発力・マルチブランド戦略の3つがございます。
創業ブランドであるポーラは、訪問販売事業からスタートしました。
お客様一人ひとりに適したお手入れ方法や美容体験を、ブランド体験と共に提供したいという想いが原点です。
そのため現在も、販売チャネルとしては、お客様と直接的な繋がりを持って商品を販売することを事業の核としております。
また、グループ内にマルチブランドを有することで多様化するニーズへの柔軟な対応が可能であり、研究開発・生産を担う会社を有しているため提供するプロダクトには絶対の自信を持っています。

私の所属するグループデジタルソリューションセンター(以下、GDSC)の組織についてもご紹介させていただきます。
POグループ全体のITを担う部門になっているので、13チームと非常にチーム数が多いです。
その中のITプロダクト開発チームに所属しており、この13チームある中で、アプリの内製開発をしているのは私たちのチームだけになっています。

他チームにはない独自の取り組みを行っているため、組織の拡大や浸透に苦労しているのが現状です。
今日は今まで取り組んできたことについてご紹介させていただきます。
2.内製化の背景: ベンダー依存からの脱却。アジリティと変化対応力を取り戻す
まずは、開発チーム発足の背景をお話しさせていただきます。
POグループのシステム開発は、基本的に事業部側とGDSCのメンバーが共同してプロジェクトを推進しており、実際に開発をするのはITベンダー様という体制になっております。
GDSCの組織全体を見ても、大半がベンダー様にお願いをするプロジェクト体制になっています。

しかし、ベンダー様の人材確保が困難となりデジタルプロダクトの変化対応力やアジリティが低下してしまったり、外部依存度が高くなってしまうため、プロダクトがブラックボックス化するといった課題がありました。
このデジタルプロダクトの開発スピードが課題となり、グループ全体のビジネスの変化対応力が低下するという危機を感じておりました。
変化対応力を高めて、市場、お客様のニーズ、技術トレンドに柔軟に対応できるようにするために、私たち自身の手で開発できる体制を作りたいという思いから、内製開発チームを発足しています。
3. 開発チームのMVV:「ファーストペンギン」として挑む。既存の置き換えではない、進化価値創造へのチーム定義
私たちの開発チームのミッション、ビジョン、バリューはこのように定めております。

ミッションは、「デジタルプロダクトを活用したDX推進をリードする」ことです。
ビジョンは、「スピード・柔軟性・体験価値を武器に、内製の力でPOグループの競争力を高める」ことを考えております。
バリューとして、スピード、柔軟性、体験価値という3つの軸をもとに、「早く届ける、自在に作る、期待を超える」と設定しております。
右側にいるペンギンは、チームの非公式キャラクターです。ファーストペンギンをイメージしています。
開発のスコープは「新価値創造」を目的とし、お客様との関係性が大きく、迅速な対応を行う必要がある領域と定めています。
POグループ全体としてデジタルプロダクトがたくさんあるのですが、すべてを担うことや、既存ベンダー様ができないから内製に置き換えるなどは目的としては掲げておらず、新しい価値を創造していかないといけない領域をスコープとしております。
4. 開発チームのこれまでの歩み:エンジニア1名・PoCからの歩み。組織拡大と2チーム制、そしてAI活用へ
私たちのチームの歩みについてご紹介させていただきます。

上にあるグラフがエンジニアの社員数になっています。私たちのチームは2023年に発足しており、最初はエンジニア社員1名の状態でした。
その後しばらくエンジニアの採用がうまくいきませんでしたが、2024年に一気に3人入社いただき、今年の末にはエンジニア6名の体制で開発組織を組成しております。
スクラムマスターは2023年に入社しておりますので、エンジニア6名とスクラムマスター、そして私を含めた体制になっています。
2023年当初のチーム発足時は、PoC開発という形で簡単なアプリケーションの開発をし、その後オルビスブランド内で使うプロダクトの開発を行ってきました。
2024年に入ってエンジニアの社員が増えたので体制を少し拡大し、2025年に入ってからはAI活用を本格的に開始しつつ、社内だけでなくお客様に使っていただくプロダクト開発にトライし始めているというのが現在の状況になっています。
開発体制としてはアジャイルスクラムチームを組成しており、2チーム体制で開発をしています。※2025年11月時点

プロジェクトの都合によって1チームはアジャイルスクラムの形ではなく、事業部門と共同の開発体制という形なので少し特殊ですが、基本的に開発チームはアジャイルスクラムの形で組成をしております。
社員エンジニアは6名しかいないので、社員だけでなく業務委託の方も含めたチーム組成になっています。
5. 立ち上げ期の光と影:成果を生んだ“プロダクトスプラッシュプロジェクト”と“アジャマイザー”
ここからは、現在の開発体制に至るまでの取り組みにおいて、うまくいかなかったことや成果に繋がった取り組みについてお話しさせていただきます。
立ち上げ期の試行錯誤:オフショア体制と案件選定の「誤算」
まず、組織立ち上げの際にあまりうまくいかなかったことについてお話しさせていただきます。大きく分けて3つあります。

- 1人目のエンジニア採用の苦戦
初めてのエンジニア採用なので、面接でスキル面の見極めの壁にぶつかりました。現在はコードテストを活用し、客観的にスキルを評価できるような手法を取り入れて採用活動に取り組んでおります。今後はリファラル採用なども行いつつ、エンジニアの採用を加速していきたいなと思っています。
- オフショア体制
当初、社員のエンジニアが1名しかいなかったということもあり、オフショアエンジニアの活用をしておりました。
国内のエンジニアのメンバーと、ベトナムのラボという形で体制を作り、国内とベトナムのエンジニアが1つのスクラムチームとなって動くというような想定で最初は動いておりました。
しかし、この体制にはコミュニケーションの課題がありました。スクラム開発において密な連携は不可欠ですが、言語や文化の壁もあり円滑に進まない場面がありました。
また、ベトナム側のメンバーは設計などの上流工程に慣れていないケースがあり、結果として国内エンジニアが受け入れ対応やフォローに追われ、負担が大きくなり、自分で開発をする時間がなかなか取れないといった課題が発生しました。そういった課題を受けて現在このオフショア体制は解除しております。

ただ、オフショアのエンジニアの方々の開発スキルは非常に高いと感じましたので、組織立ち上げフェーズではふさわしくなかったかもしれませんが、開発チームが成熟した際には、受け入れ体制を確保した上で委託することは有効だと思っております。
- プロジェクト選定
開発チームを組成してPoC開発を行った後、その次の案件として対応していたのが、オルビスブランドで使っている基幹システムをマイクロサービス化するプロジェクトでした。
社内で使うアプリケーションになるのですが、内容が複雑で成果創出に時間がかかりました。
システム課題の解決という要素が大きいので、事業上の成果が薄いこともあり、開発を頑張ってもなかなかプレゼンスが上がりにくいといった課題がありました。開発組織を立ち上げてすぐのプロジェクトとしては、少し難しいものだったかなと今になって思っております。
最初に開発をするのであれば、規模が大きすぎない短期間のプロジェクトをどんどん積み重ねていく方が良かったのではないかと思います。
成果への転換:「スプラッシュ」と「アジャマイザー」による文化醸成
次は、逆に成果に繋がったと思う取り組みについてもお話しさせていただきます。

- まずはプロダクトを開発しリリースすること
まずプロダクトを作ってリリースするということは非常に大事だと感じました。採用活動においても、「こんなのを作ってますよ」と開発したプロダクトを見ていただくことで、エンジニアの入社が加速したという実感もあります。
その際にポイントだと思ったことが2点あります。
1つ目は、当初は開発のルールや環境整備など先に決めた方がいいと思って進めていましたが、実際は事前に整備するのは難しく、開発しながら必要なものを整備していく方がスムーズだったと思っています。
2つ目は、アジャイルをしっかり推進するには、スクラムマスターを確保し、そのアジャイルのルール通りに進めていくということが非常に大事だと思っております。昨日あった嬉しいことですが、最近中途で入社したメンバーと1on1をしていて、「入社して何かギャップに思ったことはあるか?」と聞いたら「ちゃんとアジャイルしていて驚きました」という風に言われました。
外から来たメンバーに、アジャイル風のプロセスではなく「ちゃんとアジャイルやってるな」と思ってもらえているのはすごく嬉しいことです。
スクラムマスターがしっかり機能し、スクラムのルール通りに進めることがアジャイル文化定着に効果があったと思っています。
- 成熟度向上の取り組み
もう1点成果に繋がった取り組みとして、成熟度向上の取り組みがあります。大きく分けて2つあります。
a) プロダクトスプラッシュプロジェクト
スプラッシュプロジェクトとは、未経験の言語やAI駆動開発など、実際の業務でいきなり試すのは難しいことを試す「学習を主目的とした開発」を行う取り組みです。
この取り組みでは、プロジェクト外の開発を行っています。1日スプラッシュの開発をする日を設け、ハッカソン的なイベントをチーム内で開催することもありました。
スプラッシュで開発しているプロダクトは、業務効率化の観点、コミュニケーション活性、ITプロダクト開発チームのプレゼンス向上など様々な目的のものがありますが、飲み会を設定するアプリや、チーム内で順番に発言したい時にランダムで選んでくれるようなアプリなど、ちょっとしたアプリケーションを数多く作っております。

0からの開発経験が積めるというメリットがあり、エンジニアが自由に開発できるので、モチベーションがすごく上がる取り組みになっています。
また、実際にスプラッシュで作ったプロダクトをGDSC内で展開して使ってもらうことで、チームのプレゼンス向上にも貢献していると思っています。
b)アジャマイザー
これはアジャイルの価値を最大化する「アジャイルマキシマイザー」の略で、Four Keys の指標を可視化したり、開発の効率化をしたり、開発チームの成熟度を上げるための取り組み全てを総称した名前になっています。チームメンバー全員で検討した造語です。
開発チームを育てていくためには色々やらないといけないことがたくさんあると思うのですが、テーマごとに担当者を決め、自分たちで課題を設定して改善をしていくというやり方をしています。
メンバー自身で「これをやったらもっとチームが良くなるのでは」というのを考えながら実行しており、改善をする組織文化を醸成するのに有効だったと思っています。
6. 現在の悩みと今後の展望:AIエージェントと共に目指すAI自律駆動開発
現在の悩み:内製開発チームの価値浸透と人材確保
私たちの開発チームは、発足からまもなく3年を迎えます。本日は、この3年間で直面した課題と現在の悩みについてお話しします。
今悩んでいるポイントとしては4つあります。

- 開発チームの価値理解と浸透
GDSCの組織はたくさんあるのですが、アプリを内製開発しているチームは私たちだけになるので、なぜ内製開発をしないといけないのかという価値を理解してもらい、浸透させるのは難しいと感じている部分があります。
- 顧客接点の経験不足
私たちのスコープは、お客様との関係性など変化対応力を必要とする領域と定めているのですが、今までは社内プロダクト開発実績が多いので、お客様に使っていただけるようなプロダクトをもっと開発していきたいと思っています。
- テックリード/デザイナーポジションの不足
エンジニアが増えてきて徐々にチームを拡大できていますが、テックリードポジションやデザイナーポジションなど、不在のポジションがあるので、しっかり採用活動をしていきたいと思っています。
- AIネイティブ開発によるさらなる生産性向上
本日のテーマにもなっていますが、AIネイティブ開発でさらなる生産性を向上を図りたいと考えています。
AIネイティブへの進化:人が「レビューのみ」を行う未来
AIネイティブ開発に関してですが、現在は開発の補完ツールとしてAIを使っている状況です
今後は、エンジニアだけでなく、プロダクトオーナーやスクラムマスターなど、あらゆるポジション・フェーズでAIを活用します。人は「作業指示」と「レビュー」に集中する、そのような効率的な開発体制の構築を目指しています。

私たちの開発の取り組みに関しては以上になります。エンジニアポジションを様々募集しておりますので、もしご興味ある方はこちらを見ていただければと思います。

以上になります。ご清聴ありがとうございました。
アジャイル開発組織の組成と苦労:ポーラ・オルビスホールディングスの挑戦【11/26開催・内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発イベントレポート】

2025年11月26日、ファインディ株式会社が主催するイベント「内製化をスケールさせるAI時代のアジャイル開発」がハイブリッドで開催されました。
本記事では、「POLA」や「ORBIS」などの多様なブランドを展開し、国内化粧品大手としてDXや組織改革を推進する、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスの早川 美穂氏によるセッション「アジャイル開発組織の組成と苦労」の模様をお届けします。
◾️登壇者プロフィール
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
グループデジタルソリューションセンター ITプロダクト開発チームリーダー
早川 美穂
【略歴】
新卒でSIerに入社し金融系のシステム開発を担当。2017年にオルビス株式会社へ入社。 システム担当として運用保守や開発案件を担当。2023年から内製開発チームを発足しマネージャーとして新規体制の構築に尽力中。

皆さんこんばんは。ポーラ・オルビスホールディングスの早川と申します。
本日は、私たちの組織で組成した「アジャイル開発組織」の取り組みについてお話しさせていただきます。
1.会社・組織紹介:ポーラ・オルビスグループの3つの強み
会社についてご紹介させていただきます。ポーラ・オルビスホールディングス(以下、POグループ)は、2006年設立の会社です。
ポーラを創業ブランドとして、2029年に創業100周年を迎える、化粧品を中心としたビューティーブランドの企業グループになります。
グループ会社として株式会社ポーラ、オルビス株式会社、研究開発を行うポーラ化成工業株式会社など、様々なグループ会社を有しております。

私たちPOグループの強みとして、ダイレクトセリング・研究開発力・マルチブランド戦略の3つがございます。
創業ブランドであるポーラは、訪問販売事業からスタートしました。
お客様一人ひとりに適したお手入れ方法や美容体験を、ブランド体験と共に提供したいという想いが原点です。
そのため現在も、販売チャネルとしては、お客様と直接的な繋がりを持って商品を販売することを事業の核としております。
また、グループ内にマルチブランドを有することで多様化するニーズへの柔軟な対応が可能であり、研究開発・生産を担う会社を有しているため提供するプロダクトには絶対の自信を持っています。

私の所属するグループデジタルソリューションセンター(以下、GDSC)の組織についてもご紹介させていただきます。
POグループ全体のITを担う部門になっているので、13チームと非常にチーム数が多いです。
その中のITプロダクト開発チームに所属しており、この13チームある中で、アプリの内製開発をしているのは私たちのチームだけになっています。

他チームにはない独自の取り組みを行っているため、組織の拡大や浸透に苦労しているのが現状です。
今日は今まで取り組んできたことについてご紹介させていただきます。
2.内製化の背景: ベンダー依存からの脱却。アジリティと変化対応力を取り戻す
まずは、開発チーム発足の背景をお話しさせていただきます。
POグループのシステム開発は、基本的に事業部側とGDSCのメンバーが共同してプロジェクトを推進しており、実際に開発をするのはITベンダー様という体制になっております。
GDSCの組織全体を見ても、大半がベンダー様にお願いをするプロジェクト体制になっています。

しかし、ベンダー様の人材確保が困難となりデジタルプロダクトの変化対応力やアジリティが低下してしまったり、外部依存度が高くなってしまうため、プロダクトがブラックボックス化するといった課題がありました。
このデジタルプロダクトの開発スピードが課題となり、グループ全体のビジネスの変化対応力が低下するという危機を感じておりました。
変化対応力を高めて、市場、お客様のニーズ、技術トレンドに柔軟に対応できるようにするために、私たち自身の手で開発できる体制を作りたいという思いから、内製開発チームを発足しています。
3. 開発チームのMVV:「ファーストペンギン」として挑む。既存の置き換えではない、進化価値創造へのチーム定義
私たちの開発チームのミッション、ビジョン、バリューはこのように定めております。

ミッションは、「デジタルプロダクトを活用したDX推進をリードする」ことです。
ビジョンは、「スピード・柔軟性・体験価値を武器に、内製の力でPOグループの競争力を高める」ことを考えております。
バリューとして、スピード、柔軟性、体験価値という3つの軸をもとに、「早く届ける、自在に作る、期待を超える」と設定しております。
右側にいるペンギンは、チームの非公式キャラクターです。ファーストペンギンをイメージしています。
開発のスコープは「新価値創造」を目的とし、お客様との関係性が大きく、迅速な対応を行う必要がある領域と定めています。
POグループ全体としてデジタルプロダクトがたくさんあるのですが、すべてを担うことや、既存ベンダー様ができないから内製に置き換えるなどは目的としては掲げておらず、新しい価値を創造していかないといけない領域をスコープとしております。
4. 開発チームのこれまでの歩み:エンジニア1名・PoCからの歩み。組織拡大と2チーム制、そしてAI活用へ
私たちのチームの歩みについてご紹介させていただきます。

上にあるグラフがエンジニアの社員数になっています。私たちのチームは2023年に発足しており、最初はエンジニア社員1名の状態でした。
その後しばらくエンジニアの採用がうまくいきませんでしたが、2024年に一気に3人入社いただき、今年の末にはエンジニア6名の体制で開発組織を組成しております。
スクラムマスターは2023年に入社しておりますので、エンジニア6名とスクラムマスター、そして私を含めた体制になっています。
2023年当初のチーム発足時は、PoC開発という形で簡単なアプリケーションの開発をし、その後オルビスブランド内で使うプロダクトの開発を行ってきました。
2024年に入ってエンジニアの社員が増えたので体制を少し拡大し、2025年に入ってからはAI活用を本格的に開始しつつ、社内だけでなくお客様に使っていただくプロダクト開発にトライし始めているというのが現在の状況になっています。
開発体制としてはアジャイルスクラムチームを組成しており、2チーム体制で開発をしています。※2025年11月時点

プロジェクトの都合によって1チームはアジャイルスクラムの形ではなく、事業部門と共同の開発体制という形なので少し特殊ですが、基本的に開発チームはアジャイルスクラムの形で組成をしております。
社員エンジニアは6名しかいないので、社員だけでなく業務委託の方も含めたチーム組成になっています。
5. 立ち上げ期の光と影:成果を生んだ“プロダクトスプラッシュプロジェクト”と“アジャマイザー”
ここからは、現在の開発体制に至るまでの取り組みにおいて、うまくいかなかったことや成果に繋がった取り組みについてお話しさせていただきます。
立ち上げ期の試行錯誤:オフショア体制と案件選定の「誤算」
まず、組織立ち上げの際にあまりうまくいかなかったことについてお話しさせていただきます。大きく分けて3つあります。

- 1人目のエンジニア採用の苦戦
初めてのエンジニア採用なので、面接でスキル面の見極めの壁にぶつかりました。現在はコードテストを活用し、客観的にスキルを評価できるような手法を取り入れて採用活動に取り組んでおります。今後はリファラル採用なども行いつつ、エンジニアの採用を加速していきたいなと思っています。
- オフショア体制
当初、社員のエンジニアが1名しかいなかったということもあり、オフショアエンジニアの活用をしておりました。
国内のエンジニアのメンバーと、ベトナムのラボという形で体制を作り、国内とベトナムのエンジニアが1つのスクラムチームとなって動くというような想定で最初は動いておりました。
しかし、この体制にはコミュニケーションの課題がありました。スクラム開発において密な連携は不可欠ですが、言語や文化の壁もあり円滑に進まない場面がありました。
また、ベトナム側のメンバーは設計などの上流工程に慣れていないケースがあり、結果として国内エンジニアが受け入れ対応やフォローに追われ、負担が大きくなり、自分で開発をする時間がなかなか取れないといった課題が発生しました。そういった課題を受けて現在このオフショア体制は解除しております。

ただ、オフショアのエンジニアの方々の開発スキルは非常に高いと感じましたので、組織立ち上げフェーズではふさわしくなかったかもしれませんが、開発チームが成熟した際には、受け入れ体制を確保した上で委託することは有効だと思っております。
- プロジェクト選定
開発チームを組成してPoC開発を行った後、その次の案件として対応していたのが、オルビスブランドで使っている基幹システムをマイクロサービス化するプロジェクトでした。
社内で使うアプリケーションになるのですが、内容が複雑で成果創出に時間がかかりました。
システム課題の解決という要素が大きいので、事業上の成果が薄いこともあり、開発を頑張ってもなかなかプレゼンスが上がりにくいといった課題がありました。開発組織を立ち上げてすぐのプロジェクトとしては、少し難しいものだったかなと今になって思っております。
最初に開発をするのであれば、規模が大きすぎない短期間のプロジェクトをどんどん積み重ねていく方が良かったのではないかと思います。
成果への転換:「スプラッシュ」と「アジャマイザー」による文化醸成
次は、逆に成果に繋がったと思う取り組みについてもお話しさせていただきます。

- まずはプロダクトを開発しリリースすること
まずプロダクトを作ってリリースするということは非常に大事だと感じました。採用活動においても、「こんなのを作ってますよ」と開発したプロダクトを見ていただくことで、エンジニアの入社が加速したという実感もあります。
その際にポイントだと思ったことが2点あります。
1つ目は、当初は開発のルールや環境整備など先に決めた方がいいと思って進めていましたが、実際は事前に整備するのは難しく、開発しながら必要なものを整備していく方がスムーズだったと思っています。
2つ目は、アジャイルをしっかり推進するには、スクラムマスターを確保し、そのアジャイルのルール通りに進めていくということが非常に大事だと思っております。昨日あった嬉しいことですが、最近中途で入社したメンバーと1on1をしていて、「入社して何かギャップに思ったことはあるか?」と聞いたら「ちゃんとアジャイルしていて驚きました」という風に言われました。
外から来たメンバーに、アジャイル風のプロセスではなく「ちゃんとアジャイルやってるな」と思ってもらえているのはすごく嬉しいことです。
スクラムマスターがしっかり機能し、スクラムのルール通りに進めることがアジャイル文化定着に効果があったと思っています。
- 成熟度向上の取り組み
もう1点成果に繋がった取り組みとして、成熟度向上の取り組みがあります。大きく分けて2つあります。
a) プロダクトスプラッシュプロジェクト
スプラッシュプロジェクトとは、未経験の言語やAI駆動開発など、実際の業務でいきなり試すのは難しいことを試す「学習を主目的とした開発」を行う取り組みです。
この取り組みでは、プロジェクト外の開発を行っています。1日スプラッシュの開発をする日を設け、ハッカソン的なイベントをチーム内で開催することもありました。
スプラッシュで開発しているプロダクトは、業務効率化の観点、コミュニケーション活性、ITプロダクト開発チームのプレゼンス向上など様々な目的のものがありますが、飲み会を設定するアプリや、チーム内で順番に発言したい時にランダムで選んでくれるようなアプリなど、ちょっとしたアプリケーションを数多く作っております。

0からの開発経験が積めるというメリットがあり、エンジニアが自由に開発できるので、モチベーションがすごく上がる取り組みになっています。
また、実際にスプラッシュで作ったプロダクトをGDSC内で展開して使ってもらうことで、チームのプレゼンス向上にも貢献していると思っています。
b)アジャマイザー
これはアジャイルの価値を最大化する「アジャイルマキシマイザー」の略で、Four Keys の指標を可視化したり、開発の効率化をしたり、開発チームの成熟度を上げるための取り組み全てを総称した名前になっています。チームメンバー全員で検討した造語です。
開発チームを育てていくためには色々やらないといけないことがたくさんあると思うのですが、テーマごとに担当者を決め、自分たちで課題を設定して改善をしていくというやり方をしています。
メンバー自身で「これをやったらもっとチームが良くなるのでは」というのを考えながら実行しており、改善をする組織文化を醸成するのに有効だったと思っています。
6. 現在の悩みと今後の展望:AIエージェントと共に目指すAI自律駆動開発
現在の悩み:内製開発チームの価値浸透と人材確保
私たちの開発チームは、発足からまもなく3年を迎えます。本日は、この3年間で直面した課題と現在の悩みについてお話しします。
今悩んでいるポイントとしては4つあります。

- 開発チームの価値理解と浸透
GDSCの組織はたくさんあるのですが、アプリを内製開発しているチームは私たちだけになるので、なぜ内製開発をしないといけないのかという価値を理解してもらい、浸透させるのは難しいと感じている部分があります。
- 顧客接点の経験不足
私たちのスコープは、お客様との関係性など変化対応力を必要とする領域と定めているのですが、今までは社内プロダクト開発実績が多いので、お客様に使っていただけるようなプロダクトをもっと開発していきたいと思っています。
- テックリード/デザイナーポジションの不足
エンジニアが増えてきて徐々にチームを拡大できていますが、テックリードポジションやデザイナーポジションなど、不在のポジションがあるので、しっかり採用活動をしていきたいと思っています。
- AIネイティブ開発によるさらなる生産性向上
本日のテーマにもなっていますが、AIネイティブ開発でさらなる生産性を向上を図りたいと考えています。
AIネイティブへの進化:人が「レビューのみ」を行う未来
AIネイティブ開発に関してですが、現在は開発の補完ツールとしてAIを使っている状況です
今後は、エンジニアだけでなく、プロダクトオーナーやスクラムマスターなど、あらゆるポジション・フェーズでAIを活用します。人は「作業指示」と「レビュー」に集中する、そのような効率的な開発体制の構築を目指しています。

私たちの開発の取り組みに関しては以上になります。エンジニアポジションを様々募集しておりますので、もしご興味ある方はこちらを見ていただければと思います。

以上になります。ご清聴ありがとうございました。





