2025-11-14

開発生産性の指標を“評価”から“気づき”へ Sansan株式会社によるオープンな評価とクォーターサイクルが生む自律性

開発生産性の指標を“評価”から“気づき”へ Sansan株式会社によるオープンな評価とクォーターサイクルが生む自律性

目次

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エンジニア組織では、評価制度や目標設定の仕組みが多様化する一方で、「形骸化した目標管理」「納得感の欠如」「上司と部下のすれ違い」といった課題は多くの現場で見られます。特に、定性評価と定量評価のバランス、そして事業目標をどのようにチームや個人へと落とし込むかに悩むマネージャーは少なくありません。

こうした課題に対し、Sansan株式会社のBill One Engineering Unitは、評価と目標設定を切り離さず“対話を軸にした仕組み”へと刷新しました。
半期ごとの評価をクォーターサイクルに短縮し、日々の1on1と連動させることで、フィードバックの鮮度を高め、メンバー全員が納得感をもって成長できる運用を実現しています。

さらに同社では、AI戦略支援SaaS「Findy Team+」を活用し、チームの生産性指標やレビュー状況を日常的な改善活動に反映。数値を評価として扱うのではなく、「取り組みからどう変化が生まれたか」を可視化することで、現場主導の学習サイクルを支えています。

本記事では、Sansanが事業成果最大化のためにどのように「目標設定」と「評価」を結び付けているのか、そして Findy Team+をどのようにチームの改善活動に活かしているのかを紹介します。

プロフィール

大西 真央さん
執行役員 / VPoE / Bill One Engineering Unit 部長 / Bill One事業部 プロダクト室 室長

SEとしてエンジニアのキャリアをスタートさせ、2012年以降はアジャイルやDDDなどの開発スタイルを経験。2016年にSansanに入社し、営業DXサービス「Sansan」の大阪開発拠点立ち上げやインボイス管理サービス「Bill One」の立ち上げにプロダクト開発責任者として携わる。現在は、VPoEとしてエンジニアリング組織の強化と「Bill One」のプロダクト開発責任者を担う。

長谷川 駿さん
Bill One Engineering Unit Core Business APグループ

新卒でWebサービス企業に入社。WebアプリケーションおよびAndroidアプリの開発を担当。その後、管理会計に関するSaaSの新規事業立ち上げに従事し、0→1フェーズの開発を経験。2023年6月にSansanへ入社し、インボイス管理サービス「Bill One」の開発に携わる。インボイス制度や電子帳簿保存法への法令対応機能、デジタルインボイス関連機能の開発を中心に、請求書の受領から後続業務までを支えるプロダクト開発を担当している。

評価と目標設定を“分けない”──Sansanがクォーター制で挑んだ成長サイクル改革

大西:Bill One Engineering Unitでは、評価と目標設定を切り離さず、一体的に運用しています。
もともとは半期ごとに評価をしていたんですけど、その期間が長いとどうしてもフィードバックの回数が少なくなってしまい、成果や期待値のすり合わせが難しいという課題もありました。

そこで、フィードバックサイクルを早め、結果として成長を加速させたいという意図があり、評価のサイクルを半期からクォーターに短縮しました。
短いサイクルで目標を設定して振り返ることで、メンバーの成長スピードを上げたいというのが大きな目的です。

また、1on1では1、2年先のキャリアの話をする機会がなかったりするので、クォーターに一度は期待値のすり合わせをしようというのも意識しています。「この先どうなりたいのか」「どういうスキルを身につけていきたいのか」みたいな未来の話を、定期的にできる場を作りたかったんですよね。

マネージャーによって頻度やスタイルは違うんですが、「評価」「目標設定」「成果の振り返り」をひとつの流れとして回すという点は、どのチームでも共通です。

長谷川:私のチームでは週1で1on1をやっています。
進捗の確認やボトルネックの解消をしつつ、クォーターの切り替えのタイミングでは「次にどう成長していきたいか」「どんなスキルを伸ばしていくか」という未来の話をよくしています。
評価やフィードバックの話にもつながるので、クォーターの最初と最後でそういう対話をするのはチームの習慣になっています。

正直なところ「また評価か」と感じることもありますが、その分、日常的に目標進捗とフィードバックを意識するようになりました。

大西:やっぱり、短いサイクルの中で評価するのはマネージャーとしては負荷もありますね。
納得感を持ってもらうためには、フィードバックや評価理由を丁寧に伝える必要があり、その分コストがかかります。
実際に、クォーターごとに評価を上げ下げしていた時期もありましたが、一度上げた評価を下げるのは非常に難しく、説明コストがかかります。3ヶ月ごとのフィードバックは維持しつつ、年間を通した総合評価という形が良いのかなとも考えています。

一方、マネージャー視点のメリットは、マイナスフィードバックを早く伝えられることです。半年に一度だと、改善のチャンスを逃すこともありますが、小さなステップで軌道修正ができます。
ネガティブフィードバックはしにくいものだからこそ、上長とメンバーの間で早く期待値をすり合わせられるのは大きなポイントですね。

多面的な視点で学び合う──360°評価が育てた自律の文化

大西:評価制度の中では、360°評価も実施しています。(直属の上長だけでなく、業務上関わりのある同僚や他部門の関係者からのフィードバックも総合的に反映する手法)
これは意図的に取り入れている仕組みで、技術本部全体として統一されたルールがあるわけではありません。
各部署に運用の判断を任せてるのですが、この360°評価を通じて、評価してほしいことを明文化でき、何が評価された結果だったのかを理解しやすいようにしています。

長谷川:自身の取り組みや成果を言語化する必要があるので、自分の言葉で行動をしていく文化ができてきました。

評価制度はBill Oneが大切にしている文化「常に学習し、困難なことに挑み続ける」「全員がリーダーシップを発揮する」に沿った形で反映されていると思いますね。

評価を“オープン”にする組織文化

大西:Bill Oneでは自己評価結果を公開しています。
もともとは選択制でしたが、心理的安全性を担保しつつ、現在ではすべての自己評価結果をバイネームでオープンにしています。

長谷川:私が入社したときには、すでに公開の文化が定着していました。
自然と公開されることに抵抗感はなかったですね。

大西:公開の目的はいくつかありますが、一つは「他のメンバーと自分とのギャップを理解し、次の成長アクションにつなげるため」です。
特に上位グレードのメンバーがどのような働き方をしているのか解像度を高め、何を評価されているのかを可視化することで、メンバーが自分の目指す姿を具体的にイメージできるようにしています。

もう一つは360°評価との関係です。
評価をする側も、対象者のグレードや期待値を理解した上でコメントするほうが適切なフィードバックができると思っています。

OKRを軸にした「組織と個人の成長」──チーム共有が生む“支え合う目標設計”

大西:目標設計については、OKR(Objectives and Key Results)を軸に、会社全体、プロダクト、そしてエンジニアリング組織の三層で目標を設定しています。
Bill Oneの場合は、グループ単位でOKRを設けており、その下に複数のチームが存在する構造です。

チームレベルのOKR設定については、基本的に各グループに任せています。

長谷川:以前はOKRと個人目標を強く紐付けようとした時期もありましたが、ジュニア層にとっては抽象度が高く、扱いが難しい面もありました。
そのため、個人目標はあえてOKRから分離して設定し、メンバー粒度の課題にし、「どう自分のスキルを上げるか」にフォーカスしています。

目標の策定は本人、チームリーダー、マネージャーの三者で認識を合わせ、設定後はチーム内で共有会を実施しています。
普段の開発以外にやるべきこともあるため、メンバー全員で支援の仕方をすり合わせ、協力の必要がある部分を明確にしています。

データを“評価”ではなく“気づき”に──Findy Team+が支える改善サイクル

長谷川:開発チーム単位では、Findy Team+を使って開発プロセスを可視化しています。
特に注目しているのは、レビュー工程に関する指標です。
「プルリクエストのオープンからレビューまで」「レビューからアプルーブまで」「アプルーブからマージまで」といったサイクルタイムやレビューのリードタイムを主に見ています。
これらを数値として把握できることで、どこにボトルネックがあるか振り返りしやすくなったと感じています。

実際、Findy Team+では該当するプルリクを開けば「実際に何があったのか」という中身も見られるので、具体的な改善アクションの議論につながっています。


AIが生成したコードを使うケースも増えていますが、「なぜこの実装を選んだのか」を人が説明できる状態に保つようにし、説明責任を重視しています。
また、ドキュメントレビューなど負荷の高い領域については、メンバー全員で確認し合う運用にして、特定の人に負担が偏らないようにしています。

数値化によりチームの改善が進めやすくなりましたが、その数値を「評価」に使うことはあまりないです。
あくまでチームの改善の気づきをもたらすものであり、評価として使う場合でも、チームの改善の結果として数値が変わったという見方をしています。

次の成長を見据えた、成長支援とチャレンジマネジメント

長谷川:単にスキルを上げるだけでなく、組織の成果への紐付けを重視していこうと考えています。
プロダクトへの貢献をベースに「自身の成長がどのように価値提供につながったのか」を評価やフィードバックの中で意識していく必要があると感じています。

特に、AI駆動開発や仕様駆動開発など新しい開発スタイルに挑戦している中で、スキルをどう測り、どう評価制度と接続していくかは今まさに検討しているところです。

大西:私自身は、ハイレイヤー層への成長支援についてはチャレンジマネジメントが鍵だと考えています。
ある程度スキルが成熟している層に対しては、“できそうなことをやる”ではなく、“少し難しい課題に挑戦してもらう”ことが必要です。
ジュニアメンバーの支援とは違い、ハイレイヤー層には「自ら課題を見つけ、より高い目標に向かっていく」ことを求めています。

Bill One Engineering Unitが目指す姿とは?

Bill One Engineering Unitが目指すのは、個々の挑戦がチームと事業の成果に直結する組織です。その実現のために、自ら動いてチームをリードできる人を歓迎しています。
「なぜ作るのか」「どうすればもっと良くなるのか」を考えながら動ける。
そういう人がいると、チームもプロダクトも確実に強くなると思っています。

Bill Oneの開発では、フロントからバックエンドまで幅広く関われる環境があり、20を超えるマイクロサービスが連携する大規模なアーキテクチャの中で、設計やパフォーマンス改善など、エンジニアとしてやりがいのある課題に挑戦できます。
「自分の手でチームやプロダクトをもっと良くしていきたい」――そんな想いを持った人と、一緒に挑戦していきたいです。


※AI戦略支援SaaS「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。
https://jp.findy-team.io/

エンジニア組織では、評価制度や目標設定の仕組みが多様化する一方で、「形骸化した目標管理」「納得感の欠如」「上司と部下のすれ違い」といった課題は多くの現場で見られます。特に、定性評価と定量評価のバランス、そして事業目標をどのようにチームや個人へと落とし込むかに悩むマネージャーは少なくありません。

こうした課題に対し、Sansan株式会社のBill One Engineering Unitは、評価と目標設定を切り離さず“対話を軸にした仕組み”へと刷新しました。
半期ごとの評価をクォーターサイクルに短縮し、日々の1on1と連動させることで、フィードバックの鮮度を高め、メンバー全員が納得感をもって成長できる運用を実現しています。

さらに同社では、AI戦略支援SaaS「Findy Team+」を活用し、チームの生産性指標やレビュー状況を日常的な改善活動に反映。数値を評価として扱うのではなく、「取り組みからどう変化が生まれたか」を可視化することで、現場主導の学習サイクルを支えています。

本記事では、Sansanが事業成果最大化のためにどのように「目標設定」と「評価」を結び付けているのか、そして Findy Team+をどのようにチームの改善活動に活かしているのかを紹介します。

プロフィール

大西 真央さん
執行役員 / VPoE / Bill One Engineering Unit 部長 / Bill One事業部 プロダクト室 室長

SEとしてエンジニアのキャリアをスタートさせ、2012年以降はアジャイルやDDDなどの開発スタイルを経験。2016年にSansanに入社し、営業DXサービス「Sansan」の大阪開発拠点立ち上げやインボイス管理サービス「Bill One」の立ち上げにプロダクト開発責任者として携わる。現在は、VPoEとしてエンジニアリング組織の強化と「Bill One」のプロダクト開発責任者を担う。

長谷川 駿さん
Bill One Engineering Unit Core Business APグループ

新卒でWebサービス企業に入社。WebアプリケーションおよびAndroidアプリの開発を担当。その後、管理会計に関するSaaSの新規事業立ち上げに従事し、0→1フェーズの開発を経験。2023年6月にSansanへ入社し、インボイス管理サービス「Bill One」の開発に携わる。インボイス制度や電子帳簿保存法への法令対応機能、デジタルインボイス関連機能の開発を中心に、請求書の受領から後続業務までを支えるプロダクト開発を担当している。

評価と目標設定を“分けない”──Sansanがクォーター制で挑んだ成長サイクル改革

大西:Bill One Engineering Unitでは、評価と目標設定を切り離さず、一体的に運用しています。
もともとは半期ごとに評価をしていたんですけど、その期間が長いとどうしてもフィードバックの回数が少なくなってしまい、成果や期待値のすり合わせが難しいという課題もありました。

そこで、フィードバックサイクルを早め、結果として成長を加速させたいという意図があり、評価のサイクルを半期からクォーターに短縮しました。
短いサイクルで目標を設定して振り返ることで、メンバーの成長スピードを上げたいというのが大きな目的です。

また、1on1では1、2年先のキャリアの話をする機会がなかったりするので、クォーターに一度は期待値のすり合わせをしようというのも意識しています。「この先どうなりたいのか」「どういうスキルを身につけていきたいのか」みたいな未来の話を、定期的にできる場を作りたかったんですよね。

マネージャーによって頻度やスタイルは違うんですが、「評価」「目標設定」「成果の振り返り」をひとつの流れとして回すという点は、どのチームでも共通です。

長谷川:私のチームでは週1で1on1をやっています。
進捗の確認やボトルネックの解消をしつつ、クォーターの切り替えのタイミングでは「次にどう成長していきたいか」「どんなスキルを伸ばしていくか」という未来の話をよくしています。
評価やフィードバックの話にもつながるので、クォーターの最初と最後でそういう対話をするのはチームの習慣になっています。

正直なところ「また評価か」と感じることもありますが、その分、日常的に目標進捗とフィードバックを意識するようになりました。

大西:やっぱり、短いサイクルの中で評価するのはマネージャーとしては負荷もありますね。
納得感を持ってもらうためには、フィードバックや評価理由を丁寧に伝える必要があり、その分コストがかかります。
実際に、クォーターごとに評価を上げ下げしていた時期もありましたが、一度上げた評価を下げるのは非常に難しく、説明コストがかかります。3ヶ月ごとのフィードバックは維持しつつ、年間を通した総合評価という形が良いのかなとも考えています。

一方、マネージャー視点のメリットは、マイナスフィードバックを早く伝えられることです。半年に一度だと、改善のチャンスを逃すこともありますが、小さなステップで軌道修正ができます。
ネガティブフィードバックはしにくいものだからこそ、上長とメンバーの間で早く期待値をすり合わせられるのは大きなポイントですね。

多面的な視点で学び合う──360°評価が育てた自律の文化

大西:評価制度の中では、360°評価も実施しています。(直属の上長だけでなく、業務上関わりのある同僚や他部門の関係者からのフィードバックも総合的に反映する手法)
これは意図的に取り入れている仕組みで、技術本部全体として統一されたルールがあるわけではありません。
各部署に運用の判断を任せてるのですが、この360°評価を通じて、評価してほしいことを明文化でき、何が評価された結果だったのかを理解しやすいようにしています。

長谷川:自身の取り組みや成果を言語化する必要があるので、自分の言葉で行動をしていく文化ができてきました。

評価制度はBill Oneが大切にしている文化「常に学習し、困難なことに挑み続ける」「全員がリーダーシップを発揮する」に沿った形で反映されていると思いますね。

評価を“オープン”にする組織文化

大西:Bill Oneでは自己評価結果を公開しています。
もともとは選択制でしたが、心理的安全性を担保しつつ、現在ではすべての自己評価結果をバイネームでオープンにしています。

長谷川:私が入社したときには、すでに公開の文化が定着していました。
自然と公開されることに抵抗感はなかったですね。

大西:公開の目的はいくつかありますが、一つは「他のメンバーと自分とのギャップを理解し、次の成長アクションにつなげるため」です。
特に上位グレードのメンバーがどのような働き方をしているのか解像度を高め、何を評価されているのかを可視化することで、メンバーが自分の目指す姿を具体的にイメージできるようにしています。

もう一つは360°評価との関係です。
評価をする側も、対象者のグレードや期待値を理解した上でコメントするほうが適切なフィードバックができると思っています。

OKRを軸にした「組織と個人の成長」──チーム共有が生む“支え合う目標設計”

大西:目標設計については、OKR(Objectives and Key Results)を軸に、会社全体、プロダクト、そしてエンジニアリング組織の三層で目標を設定しています。
Bill Oneの場合は、グループ単位でOKRを設けており、その下に複数のチームが存在する構造です。

チームレベルのOKR設定については、基本的に各グループに任せています。

長谷川:以前はOKRと個人目標を強く紐付けようとした時期もありましたが、ジュニア層にとっては抽象度が高く、扱いが難しい面もありました。
そのため、個人目標はあえてOKRから分離して設定し、メンバー粒度の課題にし、「どう自分のスキルを上げるか」にフォーカスしています。

目標の策定は本人、チームリーダー、マネージャーの三者で認識を合わせ、設定後はチーム内で共有会を実施しています。
普段の開発以外にやるべきこともあるため、メンバー全員で支援の仕方をすり合わせ、協力の必要がある部分を明確にしています。

データを“評価”ではなく“気づき”に──Findy Team+が支える改善サイクル

長谷川:開発チーム単位では、Findy Team+を使って開発プロセスを可視化しています。
特に注目しているのは、レビュー工程に関する指標です。
「プルリクエストのオープンからレビューまで」「レビューからアプルーブまで」「アプルーブからマージまで」といったサイクルタイムやレビューのリードタイムを主に見ています。
これらを数値として把握できることで、どこにボトルネックがあるか振り返りしやすくなったと感じています。

実際、Findy Team+では該当するプルリクを開けば「実際に何があったのか」という中身も見られるので、具体的な改善アクションの議論につながっています。


AIが生成したコードを使うケースも増えていますが、「なぜこの実装を選んだのか」を人が説明できる状態に保つようにし、説明責任を重視しています。
また、ドキュメントレビューなど負荷の高い領域については、メンバー全員で確認し合う運用にして、特定の人に負担が偏らないようにしています。

数値化によりチームの改善が進めやすくなりましたが、その数値を「評価」に使うことはあまりないです。
あくまでチームの改善の気づきをもたらすものであり、評価として使う場合でも、チームの改善の結果として数値が変わったという見方をしています。

次の成長を見据えた、成長支援とチャレンジマネジメント

長谷川:単にスキルを上げるだけでなく、組織の成果への紐付けを重視していこうと考えています。
プロダクトへの貢献をベースに「自身の成長がどのように価値提供につながったのか」を評価やフィードバックの中で意識していく必要があると感じています。

特に、AI駆動開発や仕様駆動開発など新しい開発スタイルに挑戦している中で、スキルをどう測り、どう評価制度と接続していくかは今まさに検討しているところです。

大西:私自身は、ハイレイヤー層への成長支援についてはチャレンジマネジメントが鍵だと考えています。
ある程度スキルが成熟している層に対しては、“できそうなことをやる”ではなく、“少し難しい課題に挑戦してもらう”ことが必要です。
ジュニアメンバーの支援とは違い、ハイレイヤー層には「自ら課題を見つけ、より高い目標に向かっていく」ことを求めています。

Bill One Engineering Unitが目指す姿とは?

Bill One Engineering Unitが目指すのは、個々の挑戦がチームと事業の成果に直結する組織です。その実現のために、自ら動いてチームをリードできる人を歓迎しています。
「なぜ作るのか」「どうすればもっと良くなるのか」を考えながら動ける。
そういう人がいると、チームもプロダクトも確実に強くなると思っています。

Bill Oneの開発では、フロントからバックエンドまで幅広く関われる環境があり、20を超えるマイクロサービスが連携する大規模なアーキテクチャの中で、設計やパフォーマンス改善など、エンジニアとしてやりがいのある課題に挑戦できます。
「自分の手でチームやプロダクトをもっと良くしていきたい」――そんな想いを持った人と、一緒に挑戦していきたいです。


※AI戦略支援SaaS「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。
https://jp.findy-team.io/

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開発生産性の指標を“評価”から“気づき”へ Sansan株式会社によるオープンな評価とクォーターサイクルが生む自律性

エンジニア組織では、評価制度や目標設定の仕組みが多様化する一方で、「形骸化した目標管理」「納得感の欠如」「上司と部下のすれ違い」といった課題は多くの現場で見られます。特に、定性評価と定量評価のバランス、そして事業目標をどのようにチームや個人へと落とし込むかに悩むマネージャーは少なくありません。

こうした課題に対し、Sansan株式会社のBill One Engineering Unitは、評価と目標設定を切り離さず“対話を軸にした仕組み”へと刷新しました。
半期ごとの評価をクォーターサイクルに短縮し、日々の1on1と連動させることで、フィードバックの鮮度を高め、メンバー全員が納得感をもって成長できる運用を実現しています。

さらに同社では、AI戦略支援SaaS「Findy Team+」を活用し、チームの生産性指標やレビュー状況を日常的な改善活動に反映。数値を評価として扱うのではなく、「取り組みからどう変化が生まれたか」を可視化することで、現場主導の学習サイクルを支えています。

本記事では、Sansanが事業成果最大化のためにどのように「目標設定」と「評価」を結び付けているのか、そして Findy Team+をどのようにチームの改善活動に活かしているのかを紹介します。

プロフィール

大西 真央さん
執行役員 / VPoE / Bill One Engineering Unit 部長 / Bill One事業部 プロダクト室 室長

SEとしてエンジニアのキャリアをスタートさせ、2012年以降はアジャイルやDDDなどの開発スタイルを経験。2016年にSansanに入社し、営業DXサービス「Sansan」の大阪開発拠点立ち上げやインボイス管理サービス「Bill One」の立ち上げにプロダクト開発責任者として携わる。現在は、VPoEとしてエンジニアリング組織の強化と「Bill One」のプロダクト開発責任者を担う。

長谷川 駿さん
Bill One Engineering Unit Core Business APグループ

新卒でWebサービス企業に入社。WebアプリケーションおよびAndroidアプリの開発を担当。その後、管理会計に関するSaaSの新規事業立ち上げに従事し、0→1フェーズの開発を経験。2023年6月にSansanへ入社し、インボイス管理サービス「Bill One」の開発に携わる。インボイス制度や電子帳簿保存法への法令対応機能、デジタルインボイス関連機能の開発を中心に、請求書の受領から後続業務までを支えるプロダクト開発を担当している。

評価と目標設定を“分けない”──Sansanがクォーター制で挑んだ成長サイクル改革

大西:Bill One Engineering Unitでは、評価と目標設定を切り離さず、一体的に運用しています。
もともとは半期ごとに評価をしていたんですけど、その期間が長いとどうしてもフィードバックの回数が少なくなってしまい、成果や期待値のすり合わせが難しいという課題もありました。

そこで、フィードバックサイクルを早め、結果として成長を加速させたいという意図があり、評価のサイクルを半期からクォーターに短縮しました。
短いサイクルで目標を設定して振り返ることで、メンバーの成長スピードを上げたいというのが大きな目的です。

また、1on1では1、2年先のキャリアの話をする機会がなかったりするので、クォーターに一度は期待値のすり合わせをしようというのも意識しています。「この先どうなりたいのか」「どういうスキルを身につけていきたいのか」みたいな未来の話を、定期的にできる場を作りたかったんですよね。

マネージャーによって頻度やスタイルは違うんですが、「評価」「目標設定」「成果の振り返り」をひとつの流れとして回すという点は、どのチームでも共通です。

長谷川:私のチームでは週1で1on1をやっています。
進捗の確認やボトルネックの解消をしつつ、クォーターの切り替えのタイミングでは「次にどう成長していきたいか」「どんなスキルを伸ばしていくか」という未来の話をよくしています。
評価やフィードバックの話にもつながるので、クォーターの最初と最後でそういう対話をするのはチームの習慣になっています。

正直なところ「また評価か」と感じることもありますが、その分、日常的に目標進捗とフィードバックを意識するようになりました。

大西:やっぱり、短いサイクルの中で評価するのはマネージャーとしては負荷もありますね。
納得感を持ってもらうためには、フィードバックや評価理由を丁寧に伝える必要があり、その分コストがかかります。
実際に、クォーターごとに評価を上げ下げしていた時期もありましたが、一度上げた評価を下げるのは非常に難しく、説明コストがかかります。3ヶ月ごとのフィードバックは維持しつつ、年間を通した総合評価という形が良いのかなとも考えています。

一方、マネージャー視点のメリットは、マイナスフィードバックを早く伝えられることです。半年に一度だと、改善のチャンスを逃すこともありますが、小さなステップで軌道修正ができます。
ネガティブフィードバックはしにくいものだからこそ、上長とメンバーの間で早く期待値をすり合わせられるのは大きなポイントですね。

多面的な視点で学び合う──360°評価が育てた自律の文化

大西:評価制度の中では、360°評価も実施しています。(直属の上長だけでなく、業務上関わりのある同僚や他部門の関係者からのフィードバックも総合的に反映する手法)
これは意図的に取り入れている仕組みで、技術本部全体として統一されたルールがあるわけではありません。
各部署に運用の判断を任せてるのですが、この360°評価を通じて、評価してほしいことを明文化でき、何が評価された結果だったのかを理解しやすいようにしています。

長谷川:自身の取り組みや成果を言語化する必要があるので、自分の言葉で行動をしていく文化ができてきました。

評価制度はBill Oneが大切にしている文化「常に学習し、困難なことに挑み続ける」「全員がリーダーシップを発揮する」に沿った形で反映されていると思いますね。

評価を“オープン”にする組織文化

大西:Bill Oneでは自己評価結果を公開しています。
もともとは選択制でしたが、心理的安全性を担保しつつ、現在ではすべての自己評価結果をバイネームでオープンにしています。

長谷川:私が入社したときには、すでに公開の文化が定着していました。
自然と公開されることに抵抗感はなかったですね。

大西:公開の目的はいくつかありますが、一つは「他のメンバーと自分とのギャップを理解し、次の成長アクションにつなげるため」です。
特に上位グレードのメンバーがどのような働き方をしているのか解像度を高め、何を評価されているのかを可視化することで、メンバーが自分の目指す姿を具体的にイメージできるようにしています。

もう一つは360°評価との関係です。
評価をする側も、対象者のグレードや期待値を理解した上でコメントするほうが適切なフィードバックができると思っています。

OKRを軸にした「組織と個人の成長」──チーム共有が生む“支え合う目標設計”

大西:目標設計については、OKR(Objectives and Key Results)を軸に、会社全体、プロダクト、そしてエンジニアリング組織の三層で目標を設定しています。
Bill Oneの場合は、グループ単位でOKRを設けており、その下に複数のチームが存在する構造です。

チームレベルのOKR設定については、基本的に各グループに任せています。

長谷川:以前はOKRと個人目標を強く紐付けようとした時期もありましたが、ジュニア層にとっては抽象度が高く、扱いが難しい面もありました。
そのため、個人目標はあえてOKRから分離して設定し、メンバー粒度の課題にし、「どう自分のスキルを上げるか」にフォーカスしています。

目標の策定は本人、チームリーダー、マネージャーの三者で認識を合わせ、設定後はチーム内で共有会を実施しています。
普段の開発以外にやるべきこともあるため、メンバー全員で支援の仕方をすり合わせ、協力の必要がある部分を明確にしています。

データを“評価”ではなく“気づき”に──Findy Team+が支える改善サイクル

長谷川:開発チーム単位では、Findy Team+を使って開発プロセスを可視化しています。
特に注目しているのは、レビュー工程に関する指標です。
「プルリクエストのオープンからレビューまで」「レビューからアプルーブまで」「アプルーブからマージまで」といったサイクルタイムやレビューのリードタイムを主に見ています。
これらを数値として把握できることで、どこにボトルネックがあるか振り返りしやすくなったと感じています。

実際、Findy Team+では該当するプルリクを開けば「実際に何があったのか」という中身も見られるので、具体的な改善アクションの議論につながっています。


AIが生成したコードを使うケースも増えていますが、「なぜこの実装を選んだのか」を人が説明できる状態に保つようにし、説明責任を重視しています。
また、ドキュメントレビューなど負荷の高い領域については、メンバー全員で確認し合う運用にして、特定の人に負担が偏らないようにしています。

数値化によりチームの改善が進めやすくなりましたが、その数値を「評価」に使うことはあまりないです。
あくまでチームの改善の気づきをもたらすものであり、評価として使う場合でも、チームの改善の結果として数値が変わったという見方をしています。

次の成長を見据えた、成長支援とチャレンジマネジメント

長谷川:単にスキルを上げるだけでなく、組織の成果への紐付けを重視していこうと考えています。
プロダクトへの貢献をベースに「自身の成長がどのように価値提供につながったのか」を評価やフィードバックの中で意識していく必要があると感じています。

特に、AI駆動開発や仕様駆動開発など新しい開発スタイルに挑戦している中で、スキルをどう測り、どう評価制度と接続していくかは今まさに検討しているところです。

大西:私自身は、ハイレイヤー層への成長支援についてはチャレンジマネジメントが鍵だと考えています。
ある程度スキルが成熟している層に対しては、“できそうなことをやる”ではなく、“少し難しい課題に挑戦してもらう”ことが必要です。
ジュニアメンバーの支援とは違い、ハイレイヤー層には「自ら課題を見つけ、より高い目標に向かっていく」ことを求めています。

Bill One Engineering Unitが目指す姿とは?

Bill One Engineering Unitが目指すのは、個々の挑戦がチームと事業の成果に直結する組織です。その実現のために、自ら動いてチームをリードできる人を歓迎しています。
「なぜ作るのか」「どうすればもっと良くなるのか」を考えながら動ける。
そういう人がいると、チームもプロダクトも確実に強くなると思っています。

Bill Oneの開発では、フロントからバックエンドまで幅広く関われる環境があり、20を超えるマイクロサービスが連携する大規模なアーキテクチャの中で、設計やパフォーマンス改善など、エンジニアとしてやりがいのある課題に挑戦できます。
「自分の手でチームやプロダクトをもっと良くしていきたい」――そんな想いを持った人と、一緒に挑戦していきたいです。


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